入札制度についていえば、フランスでは基本的に日本のような形の談合はほとんどない。それは私がフランスの建設局で発注側の作業に参加して調べ、また1983年に単行本でも様々な機会に書いた。

ところが、日本の建設業界の人たちは、談合なしに公共工事などできないと決めてかかって視察し、質問するのだが、ないものはないから、疑問は解消しないし、報告書があったとしても、なんらかの調整が裏ではされているものとみられるとか書いたりし続けた。

自民党女性局の調査については、会うべき人に会って、話を聞くべき人に聞いている。次から次へと押し寄せる視察団のお相手をいつも務めている人たちだから、話も上手だし勉強になったと思う。

実働6時間とか言っているが、移動時間もあるし、予定通りアポが始まったり終わったりしないから、これ以上、予定を詰め込めろといわれても困る。このレベルで日程に文句言われたらたまったものでなかろう。それに、これは、国会の正式の仕事としての視察団ではないから、少なくとも出張旅費のようなかたちで国が支出しているわけではない。

子どもを連れて行った問題は、なかなか理解されないだろうが、海外では出張に家族を連れていっても仕事に支障がなければ、問題にならないことが普通だ。オフィスも個室なので、どうしようもない例外的な時は子ども連れてきてもいいし、それは広がってもいる。

日本では、かつては単身赴任者に配慮して、地方出先機関の会議は金曜日とか月曜日にして週末は家族と過ごせるようにしたものだが、このごろは、金曜日に会議が終わったら帰れとか言うことが多いらしい。

建前でなく実質的に迷惑がかからなければ、個人の幸福になるならいいことだという、気持ちがないと、日本人は幸福になれないと思う。

それから、今回の視察は「自民党女性局」だったから炎上した面もある。とくに保守派といわれる女性政治家に対しては、男の仲間からの攻撃がすごい。LGBT問題では、問題提起した杉田水脈氏が攻撃されても冷淡な政治家が多かったし、稲田朋美氏に対する裏切り者呼ばわりと落選運動もひどかった。

今回の松川氏に対する攻撃も、韓国駐在経験がある松川氏が、尹錫悦政権を支援することを主張していることに嫌韓派が攻撃をエスカレートしてきたなかで起きた事案だ。そして、次は森まさこ議員がターゲットになっているらしい。「ブライダル補助金」がテーマだが、本当の理由はLGBT法案を推進したからだ。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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