・バラマキで賃上げ

既に債務残高GDP250%という世界最高水準のバラマキをやっても下がり続けているので効果ゼロです。

たまに「バラマキが足りてないからだ」って言ってる人がSNSにいますが、「匿名、仕事の話は一切しない、社会保険料の『し』の字も出さずに平日昼間から政府にタカる話ばかりしている」ことからただの頭のおかしい無職中高年だと思われます。よゐこはスルー推奨です。

・アベノミクスで賃上げ

これは識者の中にも“最後の希望”として期待している人も少数ながらいたんですけど、結果的に実質賃金は下がり続けているので(賃上げという意味では)失敗でしょう。

「10年やっても道半ば」とか言ってる人もいますけど、民間企業だったら3年で道半ばとか言ってる時点でビジネスマン失格です。よゐこは真似しないように。

【参考リンク】「アベノミクス道半ば。金融政策を転換する状況にない」自民・世耕氏

・賃上げ税制で賃上げ

岸田政権が初期に鳴り物入りで推進したものですが、覚えている人いますかね?筆者は名前くらいは憶えていますけど、実際に使っている会社は聞いたこと無いですね。

・「年収の壁」助成金で賃上げ

これはさすがに期待してる人なんていないでしょう(笑)

一応、答え合わせ。

【参考リンク】6月の実質賃金 前年同月比1.6%減 15か月連続でマイナス

要するに、あらゆることをやってみてダメだったから、今さらながら賃上げの王道である「人材の流動化」をやるしかない状況に追い込まれたということなんですね。

その判断自体は正しいと思います(まあ識者の多くは最初から指摘していたことですが)。

ひょっとすると「高度成長期から80年代いっぱいまでは、終身雇用でも賃金上がったし経済成長もできたじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

筆者は実はあの時期の終身雇用が成功体験だったかについてはかなり懐疑的で、単に「人口ボーナスを抱えるタイミングで国全体をリセットできた」「冷戦下で安全保障にタダのりできた」等の幸運が重なっただけではないかと考えています。

実際、賃金に関しては昔からパッとはしてなくて、経済規模で世界一になったバブル時も、平均賃金では世界トップ10に入るか入らないか程度だった記憶があります。

だから正確には「近年、日本人の賃金が上がらなくなった」じゃなくて「昔から日本人の賃金はパッとしなかったけど、近年は輪をかけて上がらなくなった」が正しいです。

百歩譲ってバブル以前がまあまあ上手くいっていたことは認めるとしても、「Karoshi」が英語になるくらい長時間労働が慢性化してたり、今よりさらにすごい男女間格差を放置するのはマズいでしょう。

それらを見直す過程で、結局は終身雇用制度にメスを入れざるを得なかったはずです。

以降、

インフレが賃上げの追い風になるのは一部の優秀者だけ 法律でも政府でもない、自分を救えるのは自分だけ

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Q:「本当に海外を目指すべき?」 →A:「日本でなかなか豊かさを実感できない理由は2つあります」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2023年8月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください

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