ビジネス交渉であえて負ける

ビジネスにおいて交渉する場面は多い。自分も日々、条件などで交渉する事がある。時には相手とのパワーバランスから、あまりに相手に有利すぎる条件で迫られることもある。そんな時、「何が何でもこちらが有利にならないとダメだ」と報酬の交渉などで意気込みすぎるとトータルでは損をする。だからあえて、相手に大変有利な条件で終わらせる選択を取ることもある。

具体的に言えば、メディア出演や講演の登壇については労力を考えると割に合わない条件にあることは結構多い。出演を見送っていつも通り仕事をする方が経済的利益だけ見ると断然大きい。それでも、出演依頼はほとんど受けるようにしている。理由は出演実績を作ることができることに加え、こうした仕事はシンプルに楽しいと感じることが多いからだ。

自分は出演するだけでなく、できるだけ相手側にメリットのある情報を調べて積極提供するようにしている。対応に気を良くした相手から、リピート依頼のお声がかかるということは何度もあった。

「自分を安く見られたくない。絶対にこっちに有利でなければ我慢ならない」と勝ちにこだわりすぎて、短期的な大勝ちを狙いすぎると交渉が決裂したり、次回のオファーで声がかからなくなってしまうのだ。

「負けて終わる」ということはかなり重要なのだが、感情的には受け入れがたいと感じることでなかなかできない。しかし、人と人との関係性において相手に勝ちを譲ることでトータルで得をする「戦略的勝ち方」を理解して損はないだろう。

 

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