3.短期的なネガティブ、長期的にポジティブ
最後は短期的なネガティブだが、長期的にポジティブな思考の持ち主である。
うまくいかない人はこの真逆を行くケースが多いと感じる。たとえばギャンブルで一攫千金を夢見る人は、長期的に自分の人生の可能性や高みを目指すことをすっかり諦めて暗黒色にネガティブに染まっている。しかし、短期的に過剰に楽観主義で「どうか当たりますように!」と天の神様に祈りを込めて賭博に興じる。その際、期待値や統計的収束といった概念から目を背けがちだ。そのため、短期的にラッキー当たりがでても、試行回数が多いほど期待値に収束するので長期で結果を出すことは難しいといえる。
だが成功する人は成功前から長期的には自分の人生は上向きだと信じている。時に何の根拠もなく「自分は成功する星の元に生まれているから」みたいに強固に信じている人物がいるが、根拠がなくても期待値の高い行動を継続できるなら短期的にすぐ当たりを引くことができなくても、長期的にはうまくいく。つまりギャンブルで人生一発逆転タイプと逆の事が起きるということだ。
そして成功の肝となるのが「短期的にはネガティブ」ということだ。これはどういうことだろうか?
長期的には大丈夫と自分を信じられる人も、短期的には慎重な人は少なくない。自分自身がかなり慎重派で、リアルセミナーやメディア出演をする際は入念すぎるくらい準備をする。「緊張してどもったらどうしよう」「セリフが飛んでしまったらどうしよう」こういう不安が強いので、何ヶ月も前から何度も何度も話す練習を繰り返す。また、セミナーなら「講演家の失敗談」みたいな情報を読み漁って、失敗事例を頭に叩き込んで事前に失敗の芽を摘み取るということをする。会場の運営会社に電話をして「最後方の席からでもプロジェクターはしっかり見えますか?」と確認までする。しかし、短期的にネガティブで慎重な性格だと失敗の可能性を減らすメリットがあるのだ。
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今でこそ大きな成功を収めた人物でも、駆け出しの頃、成功する前の積み上げ時代の頃からすでに成功ポテンシャルを持っていると感じる事が少なくない。今回取り上げた特徴はこれまで伸びてきた人たちに共通するポイントである。
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