ではスタートアップならどうでしょうか?個人的にはそれも一長一短だと思います。なぜならスタートアップ企業は総じて創業者の熱い思いが前提にあり、時として従業員に無理難題を非論理的に押し付けてくることもあるからです。最終的に自分が何を学びたいか次第ですが、比較的芽があるのは成長過程にある中小企業や新興企業なのかもしれません。
カナダで採用面接をすると日本人とローカルではある決定的な差があります。それは給与/報酬額がローカルの人は期待通りでなければ完全スルーされ、採用に至りません。日本人の人はその仕事が自分の糧になれば頑張る人も多いというのが印象です。
しかし、給与に釣られて職を転々とする人ほど最終的には何の技術も経験もノウハウも持たない人が多いというのもこれまた事実です。初めの数年間はローカル企業より給与水準は見劣りするかもしれないけれど経験を積んだらグイと上がる、こんな給与体系であれば経営者と従業員はウィンウィンの関係になるのでしょう。
ただ、私の見る限り、お勤めの人は自分が勤める会社の社内ルールや仕組みにこそ精通するものの応用が全く効かないという方もお見掛けします。セールスには商売敵の長所短所を知り抜いたうえで自分の商品がどう優れているのかを見せることでセールストークになります。しかし、多くの企業体質は自社のことだけに集中している、そして他社のそれは価格面など表層的な部分でしか、参照にしないことはあるのでしょう。
そこまでしっかり考えて就職活動をしている人がどれだけいるのかわかりませんが、就職とは自分の家族よりも長い時間を過ごすこともある結婚と同じぐらいの意味合いがあります。それ踏まえ、短期間の恋愛経験とするのか、腰掛にするのか、共に育めるのか、といった視点で考えると就活で50社受験しましたという話にはならないと思うのですが。
この辺りは私にはもう別世界ということなのでしょうね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年8月22日の記事より転載させていただきました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?