日常生活で使う「かかわる」にはいくつかの漢字表記があります。
その漢字表記として「関わる」と「係る」があります。
どちらも関係することや関連することを指す際に使用されます。

しかし、両者には常用漢字なのか常用外漢字なのかといった違いがあります。
ここでは、「かかわる」の漢字表記となる「関わる」と「係る」の意味や違いについて解説します。

目次
「関わる」と「係る」の意味
 ・それぞれの意味は同じ!
 ・「拘る」は意味合いが異なる
 ・公用文や公文書では・・・
「関わる」を用いるのが通例
 ・常用漢字とは
 ・かつては「かかわる」表記だった

「関わる」と「係る」の意味

「関わる」と「係る」、共に「かかわる」と読むこの言葉の違いは?意味は異なる?どう使い分ける?
(画像=『FUNDO』より引用)

まずは、「関わる」と「係る」それぞれの意味を見ていきましょう。

それぞれの意味は同じ!

関わると係るは、ともに「かかわる」と読み、おおよその意味も同じです。
どちらも関係することや関連することをあらわします。
ある事柄との関係や関連を持つことを指す言葉なのです。

「拘る」は意味合いが異なる

かかわるの漢字表記には「拘る」もあります。
この「拘る」とは、比較的どうでもいいことを気にすることです。
また、それによっていつまでも気にかけたり必要以上に手を加えたりしたがることも指します。

「こだわる」とも読むことができることから、その意味で使用されることが多いです。

公用文や公文書では・・・

「関わる」と「係る」、共に「かかわる」と読むこの言葉の違いは?意味は異なる?どう使い分ける?
(画像=『FUNDO』より引用)

では、公用文や公文書ではどちらを使うべきなのでしょうか?

「関わる」を用いるのが通例

公用文や公文書では、「関わる」を使うのが通例です。

「関わる」という表記は、常用漢字のひとつとなります。
それに対して、「係る」は常用外漢字とされています。

そのため、多くの場合は「関わる」の表記が使われる傾向にあるのです。

しかし、状況に応じて使い分けられることもあります。
例えば、事件に「かかわる」であれば「関わる」が、、命に「かかわる」であれば「係る」といった具合です。

通常は「関わる」ですが、例外的なものを強調するために「係る」を用いるという使い分けることがされているわけです。

常用漢字とは

「関わる」と「係る」の違いとなる、常用漢字か常用外漢字か。

この常用漢字とは、公用文や公文書など一般的な社会生活における漢字の使用の目安を定めた一覧のことです。
1981年に内閣告示され、2010年に改定が行われています。

この一覧にあるものを常用漢字、それ以外の表記を常用外漢字と呼び分けられています。

かつては「かかわる」表記だった

現在では常用漢字なら「関わる」となり、常用外漢字も含めるなら「係る」もある「かかわる」ですが、もともとはひらがな表記だったとされています。

実は、1981年に告示された常用漢字表では「係る」だけではなく「関わる」も常用外漢字だったのです。
そのため、「かかわる」とひらがな表記することが正とされてきました。

しかし、2010年に改定された常用漢字表で「関わる」が追加されたので、「関わる」という表記が正しいと改められました。