数量や割合について数える際にしようされることもある「ずつ」や「づつ」。
これは、どちらを使うのが正しいのでしょうか?
先にあったのは「づつ」とされますが、時代に合わせて「ずつ」に変化した言葉なのだとか。
そこでここでは、「ずつ」と「づつ」はどちらを使うのが正しいのか、もしくは使い分ける必要があるのかを解説します。
目次
「ずつ」と「づつ」の意味と漢字表記
・「ずつ」と「づつ」の意味
・「ずつ」と「づつ」の用い方
・「ずつ」と「づつ」の漢字表記
「ずつ」と「づつ」、どちらが正しい?
・基本的には「ずつ」を使う
・昔は「づつ」を用いていた
「ずつ」と「づつ」の意味と漢字表記
(画像=『FUNDO』より引用)
「ずつ」「づつ」は、どのような言葉なのでしょうか?
ここでは、その意味と漢字表記について見ていきましょう。
「ずつ」と「づつ」の意味

基本的に、「ずつ」と「づつ」は同じ役割の言葉です。
「ずつ」と「づつ」は、数量や割合を表す名詞や副詞、一部の助詞などに用いられる言葉です。
ある数量を当分に割り当てる際に用いるものであり、それぞれの数を指す言葉として使われています。
「ずつ」と「づつ」の用い方
「お菓子を1個ずつ(づつ)配る」のように、それぞれの数を人数に合わせて割り当てるような場面で活用されます。
また、一定量に限って繰り返す意味も持っています。
例えば「1枚ずつ(づつ)ページをめくる」のように、特定の行為を連続して繰り返す際に用いられることもあります。
「ずつ」と「づつ」の漢字表記
「ずつ」や「づつ」は、ひらがな表記するのが一般的ですが、実は漢字表記することができます。
その際は「宛」と書きます。
つまり「1個宛」や「1枚宛」と表記することで、それぞれ「いっこずつ(づつ)」「いちまいずつ(づつ)」と読むことができるということになります。
「ずつ」と「づつ」、どちらが正しい?

ここまで「ずつ」と「づつ」は、同じ意味の言葉としてきました。
しかし、どちらを用いるのが正しいのでしょうか。
もしくは、どのように使い分けていくのが正しいのでしょうか?
基本的には「ずつ」を使う
「ずつ」と「づつ」の使い分けに関しては、基本的には「ずつ」を用いると考えていただいて構いません。
これは、1986年7月1日に文化庁(当時の文部科学省)が告示した「現代仮名遣い」の内閣告示・内閣訓令に根拠としています。
この内閣告示では、現代仮名遣いの書き表し方について書かれています。
その中で、『「じ」「ず」を用いて書くことを本則』とすると書かれています。
「ぢ」ではなく「じ」を使うこと、「づ」を使うのではなく「ず」を用いるのを基本とするということになります。
つまり、「づつ」を使ってもいいけど、基本的には「ずつ」を使ってね。という事です。
昔は「づつ」を用いていた
この内閣告示もあって、現在では多くの人が「ずつ」と表記しています。
しかし、もともとは「づつ」の方を用いる方が一般的であったとされています。
転機となったのは、戦後の1946年に出された「現代かなづかいの実施」という内閣訓令です。
その中で、「ず」を新かなづかいとし、「づ」は旧かなづかいとされました。
この経緯から、次第に「づつ」という表記は少なくなっていきました。
ちなみに「づつ」という表記が間違っているというわけではありません。
1986年の「現代仮名遣い」の内閣告示でも「ずつ」と表現するのは本則であって、絶対とはしていません。
むしろ、『「じ」「ず」を用いて書くことを本則』とするの後には、『「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする』とあります。
ですから、自分はこちらの方が好みなので、という理由やなんとなくで「づつ」と書いても全く問題ないということになります。