4枚羽もプラグインも、実は使い回し?本命はデザイン
実はフォードのコンセプトカーで2ドアクーペ風4枚羽サルーンといえば、2005年にやはりフランクフルトショーで発表された「イオシス」が存在しており、特に目新しいものではありません。
ならば動力源としているプラグインハイブリッド・システムが斬新なのかといえば、これも2012年モデルから発売間近だった同社のMPV(マルチパーパス・ビークル)、C-MAXのPHEV版、「C-MAXエナジー」で採用が決まっていたもの。
つまりバタフライ4枚羽もPHEVシステムも既存の使い回しであり、特に前者は人目を集めるための派手な演出のため引っ張り出された形です。
では、そこまでしてフォードは何を伝えたかったのかといえば…「フロントマスクを中心とした、今後の新たなデザインの方向性」だったとか。
フォードでは2000年代後半から、新たなデザインテーマ「キネティックデザイン」を採用しており、前述の「イオシス」もそれを紹介するためのコンセプトカーでした。
そして、フォードのヨーロッパ部門での採用にとどまっていた同デザインを、アメリカ本国を含む全世界で広く採用するためにリファインした、いわば「新キネティックデザイン」の紹介モデルが、この「エヴォス」だったというわけです。
実際、2010年代からのフォード車は「エヴォス」とフロントマスクを中心によく似たモデルが登場し、2021年発売の中国向けSUVである、新「エヴォス」も、コンセプトカーの「エヴォス」とフロントマスクは似ています。
奇抜な姿で目を引くコンセプトカーも、実は「本命」のために人目を引く演出だった…そう考えると、モーターショーでパッと見で目立つところだけ注目してしまうと、本質を見落としてしまうかもしれず、メーカーの話はよく聞くものですネ?
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY
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