メディアの在り方を見直すターニングポイントに

今大会に当たっては、少なくとも日本では放映権問題(放映権料を巡って開幕1週間前まで放送する局が決まらない異例の事態に)などがあった。他の国々でも大会参加に当たっての様々な問題が存在しただろう。また近年各メディアでは女子サッカーを取り巻く社会的な問題などが取り上げられ、選手のプレーに関することよりも目立つようになった。

しかしながら今W杯を通じて筆者は、日本だけならず世界のメディアが、純粋に選手たちの涙と見事なプレーに感銘を受けて表現する場面を目の当たりにした。ここで気付かされたのが「本来のサッカーの力」だ。たとえ国が違い言葉が通じなくとも人々が繋がりそして感動し、ピッチでドラマのようなストーリーが生まれる。そんな伝統的なスポーツとしてのサッカーの可能性に改めて立ち返って触れた。

ピッチにまでは様々な問題を持ち込まず、プレーをする側もそれを観ている側も、純粋にゲームを楽しみその感動を共有し合う。今W杯で起こったそれは、世界中のメディアの在り方にも影響を与えるきっかけになったのでは無いだろうか。少なくとも筆者は間違いなく、その中の1人だ。