水や教育分野で協業できるパートナーを

「Mother to Mother SHIONOGI Project」を塩野義製薬とともに進めているのは、ワールド・ビジョン・ジャパンやジョイセフだけではありません。ケニアのキリフィ県・ガンゼ準県リマ・ラ・ペラ診療所では、パナソニック ホールディングス株式会社の支援により太陽光発電システムを設置。以前は電力供給がなかったため夜間の分娩や緊急事態に対応できませんでしたが、医療サービスを24時間提供できるようになりました。

(松岡さん)「グローバルヘルスを実現するためには、国際的な連携とパートナーシップが不可欠です。塩野義製薬は、これからもコレクティブ・インパクト(※)を目指して新たなパートナーと組ませていただくことを積極的に進めていきたいと考えています。

※社会課題の解決に向けて、行政や企業、NPOなどが組織を越えて協力して取り組むこと

いま、私たちが大きな課題だと思っているのは水。きれいな水を入手できないと感染症にもつながる可能性があります。(その課題解決に向けて)ともに進められるパートナーと組ませていただきたいです。都市部はもちろん、農村部にも教育を届けられるように企業さんやさまざまな団体さんと協業させていただきたいともずっと考えていますね」

企業による支援の望ましい形とは

企業が途上国を支援するうえで、望ましい形は何でしょうか。松岡さんに尋ねました。

(松岡さん)「こちらが(必要だと)思っているものを向こうに当てはめるのではなく、まずは向こうの実態をしっかりと見て何が必要なのかを考えて、現地の人々をきちんと助けることができるものを届けることが大事だと思います。

ケニアとガーナに行かせていただいて、私たちから見ると過酷な環境の中でも支援地の人々が笑顔で迎えてくださったのが本当に印象に残りました。

どうしても『日本にはこんな便利なものがあるからアフリカでも広めたらいいじゃないか』って考えに陥りがちですが、現地の人が本当に必要だと思っているものやサービスを見極めて、継続して使い続けられるような仕組みとともに届けなければ、真に救えるものにはならないと思っています」

20代へのメッセージ

インタビューの最後に、U-NOTEのメインターゲットである20代前半に向けて、2人からメッセージをもらいました。

(松岡さん)「世界に目を向けてみると医療を受ける環境がそもそも整っておらず、日本では容易に治療できるような疾患でも命を落としてしまい、SDGsで掲げているような目標と大きな隔たりがある国や地域があるという現実をまずは知ってもらいたいです。若い世代のみなさんには、今回の記事がグローバルヘルスについて考えてみるきっかけになれば幸いです」

(谷さん)「20代は、きっと色んなことに興味関心があると思うので、それを少しでも調べていくと、今まで見えてなかったものが具体的に映像として見えてくるようになります。そういった1つひとつの行動の積み重ねの中に、色々なチャンスがあるのかなと思うので、まずはアンテナをちょっとでも張っていく、ちょっとでも調べていくことが自分のやりたい道にいつかつながっていくんじゃないかなと思っています」

      谷由香利さん

【Mother to mother SHIONOGI PROJECTに関する動画はこちらから】

(動画)塩野義製薬株式会社|ケニアの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」

(動画)ケニア・キリフィ県活動紹介|Mother to Mother SHIONOGI Project 第2期事業|塩野義製薬

(動画)Mother to Mother グループの紹介|Mother to Mother SHIONOGI Project|塩野義製薬

(了)