日本はいつも黒船が変えてきた
過去記事・日本という国の最大の弱点とは?にも書いたが、日本の最大の弱みは変化の必要性を素早く理解する力はあるのに、それを実践することができないことである。変化の速い時代に変化する力が弱い、というのはとてつもない弱みになる。今はなんとかなっている。だが、10年、20年先はこの差が国際競争で大きくビハインドする主要因になりかねない。
いつの時代も変化をもたらすのは「よそ者・若者・バカ者」という言葉がある。日本を変えてきたのはいつも黒船というよそ者である。同じ変えるにもバカ者と若者に変えてもらうことが理想だが、あいにく日本は上の世代が力を持ち、一方で若者が力を持ちづらい構造的欠陥を有しているので変化が起きにくい。
「誰が変えるにも海外勢力が変えてくれるならそれでいいのでは?」と思われるかもしれないが、手放しで喜べない。海外が日本へ変化をもたらす時、多くの場合は変化に伴う利益は海外が持っていってしまうためだ。
ガラケー一色だった携帯産業をスマホが駆逐したが、日本人がガラケーに投入していた富が今は海外へ流れている。これが続けば、国産の商品サービスへの富がドンドン海外へ流出することになる。だから国内から変化する力を持つ必要があるだろう。
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自分自身、現状維持のためのムダな努力をしないよう日頃から気をつけている。そのためには新しい商品サービスが出たらすかさずお金を出して買って使ったり、先端の情報に触れ続けるように意識している。
日本には「もったいない精神」がある。SDGsにはいいかもしれないが、行き過ぎたもったいない精神は強固な現状維持力を生み出す。最たるものがイノベーションを否定し、「まだ使える」と現状維持を続ける発想だ。現状に執着した時から、停滞とそれを維持するためのムダな努力に時間とエネルギーを使うようになるのだ。
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