作成と作製は、どちらも読み方は「さくせい」です。
そして、「何かを作り出す」ことを意味する言葉です。
意味も似ていて読みも同じとなることから混合されやすい両者ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
実はこの2つ、「何を作り出すのか？」という点で使い分けがされています。
そこでここでは、「作成」と「作製」という同音異義語の意味の違いや使い分けについて解説します。
「作成」と「作製」の違い
作成と作製はどちらも「さくせい」と読み、「作る」ことを意味します。
「作る」という大まかな意味は同じなのですが、何を作るか、その作る「もの」に違いがあります。
作成とは
作成は、文書などの書類や、計画などを作る際に用いられます。
「成」という漢字には、物事を完成させる、仕上げるという意味があります。
基本的にはデータやアイデア、考えなど直接手で触れることができないものや、知的財産に当たるものを作る場合に使われます。
作成の用い方・使用例
書籍や雑誌などの文章や記事、文書や予算や企画・計画を作る時などによく用いられます。
「レポートを作成する」「会議資料を作成する」「グラフを作成する」など、これらはすべて可視化こそされていますが直接手で触れるものではありません。
作製とは
作製は、機械や道具などを用いて、物を作ることをあらわしています。
作製の用い方
いわゆる「ものづくり」によって作られるもの、実体が存在する三次元的なものが対象になります。
「製造」「製品」などの言葉にも、「作製」の「製」という文字が用いられていますね。
ポイントは物があるかないか
作成と作製の違いは「物体であるかないか」ということになります。
物体ではないものを作るのか、機械や道具を用いて物体を作りあげるのか？で使い分けします。
使い分け方に迷った時には、完成形で判断すると分かりやすいでしょう。
使い分けには例外もある
「物があるかないか？」で使い分けをしますが、中には例外的な用いられ方をすることもあります。
製図などの図面の場合
図面を作る時には、「作製する」を用います。
図面は物体ではないのでは？と思うかもしれませんが、図面を使って作るのが物品になるので「作製」を使うということになります。
図面を作る課程は、生産物を作製する製造工程の一環と考えると腑に落ちると思います。
また、「製図」という単語もあることから、図面については「作製」が使用されます。
食べ物の場合
料理を作る時は、「作成」を使います。
料理は手で触れるものになるので、「作製」を使うのでは？と思うかもしれませんが、「作製」は機械や道具を使って作る場合に使われることが多いため、「作成」となるのです。
では、機械を使って料理を作る時はというと・・・、食品業者などが工場で大量の加工食品を作っている場合には、機械を用いて作るので「作製」になります。
少しややこしいですね。
