決勝戦のポイントは2人のFWローレン

イングランドにとって、20日のスペインとの決勝戦でポイントとなるのは、出場停止だったFWローレン・ジェームズが戻ることでサリナ・ヴィーフマン監督がどのような戦略で挑んでいくのか。また、非常に繊細な動きで足元の隙を狙ってくるスペインに対しての、FWローレン・ヘンプのテクニックが重要となりそうだ。


2023 FIFA女子ワールドカップ 写真:Getty Images

どちらかがW杯チャンピオンになった後

スペインでは、2021/22シーズンにラ・リーガと運営組織を同じくするリーガF(スペイン女子1部)のプロリーグ化が決定し、国を挙げて女子サッカーの繁栄に力を入れている。単にスポーツとしての取り組みを強化するだけではなく、国からの投資を戦略的に活用し、施設改善、競技自体について、メディア連携、クラブのサポートなど、女子サッカーに価値を見出す様々な取り組みを行っている。

スペインが今W杯で優勝国となった場合、リーガFにも多くのスポットが当たり、プロを目指したいという次世代の子供たちが増えることが期待されるだろう。

一方イングランドは、ユーロ2022(UEFA欧州女子選手権)での優勝経験もあって、国内では女子サッカーに対するイメージも上がり取り組みも進んでいる。なでしこジャパンのMF長谷川唯(マンチェスター・シティ)とDF清水梨紗(ウェストハム・ユナイテッド)も、今年6月に開催された女子サッカーの未来を考えるスポーツビジネスカンファレンス「Women’s Football Industry Conference 2023」にて、それぞれの所属クラブの環境の良さを絶賛していた。

既に基盤が出来上がっているイングランドが今W杯でも優勝国となった場合は、おそらく国内の女子サッカーのイメージは確固たるものと移り変わり、男女ともにサッカー発祥の地にふさわしい「サッカー大国」として堂々と名を掲げられるだろう。

どちらの国がW杯王者となった場合にも、その後の自国での変化や、その変化を感じるられるかということがとても重要となりそうだ。