フラッグシップとは?
「フラッグシップ」とは元来、海洋艦隊における指揮官が乗る船を指す言葉であり「flag ship(旗を掲げた船)」の和訳どおり、その意味は「もっとも象徴的な船」です。それになぞらえ、マーケティング等ではもっとも代表的な商品や店舗などに「フラッグシップ」という言葉が使われます。
自動車においては、販売台数や人気に関わらずメーカー単位もしくはボディタイプ単位でもっとも大型で高額な車種が「フラッグシップモデル」と呼ばれます。
以前は、もっとも高額な大型セダンがフラッグシップモデルの中核として認知される傾向にありましたが、現在はセダンを販売していないメーカーも多いため、もはや大型セダン=フラッグシップモデルの図式は成り立っていないです。
セダンが減った代わりに他のボディタイプでのラインナップが増え、現在ではそれらの階級表現として「フラッグシップSUV」「フラッグシップミニバン」という言葉もよく聞かれるようになりました。
フラッグシップとハイエンドの違い
フラッグシップに似た言葉として「ハイエンド(high end)」が挙げられます。日本語で「上端」を意味するとおり、車における「ハイエンドモデル」とは最上級車種や最高性能車種を指します。
「ハイエンド」と「フラッグシップ」は意味が重複する部分があるものの、フラッグシップモデルは象徴としての存在感を高めるために高性能が与えられた車であるのに対し、ハイエンドはあくまで特定の性能そのものを引き合いにした場合の最上級車です。
そのため、自動車におけるハイエンドモデルは、高い走行性能を誇るスーパースポーツカーや、クオリティを追求した超高額のラクジュアリーカーなどによく用いられます。
ただし、ハイエンドモデルはボディサイズとの関連はないため、すべてのハイエンドモデルがフラッグシップモデルに該当するとは限りません。
メーカーの象徴的な存在感と、車種としての実利的な性能のどちらに焦点をあてるかが、フラッグシップとハイエンドのもっとも大きな違いといえるでしょう。