「キウイ」というと、果物の「キウイフルーツ」と飛べない鳥として知られる「キーウィ」と2つが連想されます。 両者は、共にニュージーランドを代表するともいえる存在ですが、先にその名前がつけられたのは鳥の「キーウィ」のほうです。 しかし、姿が似ているから果物も「キウイ」と呼ばれるようになったわけではないのです。
そこでここでは、「キウイ」という名前の歴史について解説します。
目次
キウイって鳥と果物どっちが先?
キウイフルーツの名前の由来となったキーウィ
キーウィの卵大きすぎ問題
まとめ
キウイって鳥と果物どっちが先?
果物のキウイと動物のキーウィは、どちらの名前が先に付けられたのでしょうか?
キウイ(果物)
キウイは、マタタビ科マタタビ属の果物です。 1906年にニュージーランドが中国原産の果物を品種改良し、1934年頃から本格的に商業栽培を始め、瞬く間に世界各国で食べられるようになりました。 そしてキウイフルーツという名前は、ニュージーランドがアメリカに輸出する際に国有種の鳥であった「キーウィ」から命名されたといわれています。
つまり、キウイフルーツは鳥のキーウィが語源なのです。
キーウィ(動物)
キーウィは、キーウィ目に分類される鳥類の総称です。 丸っこい体に毛が生えた愛らしい姿をしており、ダチョウやエミューなど平胸類の仲間なのですが、まだまだ謎の多い珍獣となっています。
ニュージーランドの国有種ではありますが、そのDNA構造はアフリカ南東部に浮かぶマダガスカル島に生息していた絶滅種エピオルニスにとても近いことがわかっています。 ニュージーランドではマスコット的存在として広まっており、各地でキーウィに関するグッズやアイテムも売られています。
その名前は、ニュージーランドに古くから居住するマオリ族がその鳴き声から名付けたといわれています。
キウイフルーツの名前の由来となったキーウィ
キウイは、日本人でも知名度の高い果物です。 このキウイの語源ともなった、キーウィはどのような鳥なのかを見ていきましょう。
キーウィはこんな鳥
キーウィは、毛玉のような羽毛の体に足が生えた丸っこいフォルムをしています。 翼は退化していることもあって飛ばない鳥の一種にあげられます。 ニワトリのように普段は歩いて生活するのですが、キーウィの場合は完全に翼が退化しています。
その代わりに脚が発達していて、走ると意外と速いのです。これはダチョウやエミューにも似ていますね。
また、くちばしがとても長いのが特徴で、他の鳥たちに比べてもその生態が独特なことを物語っています。普段はこの細長いくちばしを使って食事をしています。
見た目はキウイそっくり
キーウィの大きさは40〜50cmほど。 ニワトリの大きさに近しいですが、その姿は特に後ろから見るとキウイフルーツにそっくりです。 しかし、キウイフルーツの名前はキーウィの姿と直接関係はないとされています。
あくまでも、ニュージーランドを代表する存在であるキーウィにあやかってキウイフルーツと命名されたとされています。
ニュージーランド固有種
キーウィはニュージーランド固有種であり、他の地域に生息している動物ではありません。 そレもあって、ニュージーランドでは国を挙げて徹底したキーウィの管理をしています。
絶滅の危機にあるキーウィ
キーウィはとてもキュートな姿で人気なのですが、実は絶滅の危機に瀕しています。 そもそも他の動物に比べて身体能力がそこまで高くないため、野生の哺乳類などに襲われることもあります。
そのため、近年ではより厳正な環境の下で育てられているのです。
判明しているだけでもキーウィには5種類ほど存在しているのですが、4種類が現在危急種で、1種類が近危急種に指定されています。
飛べない鳥
キーウィの天敵と言える生物は、ニュージーランドに存在していなかったともされています。 それが翼の退化にも繋がったと考えられています。 実際、ニュージーランドにはキーウィの他にも飛べない鳥が生息しています。
ただし、現在は人間が持ち込んだ犬や哺乳類などの影響でその数は激減し、今では絶滅が危惧されているのです。
人懐っこい
キーウィは警戒心がとても薄い動物です。 動くものを見つけると追いかけてしまうというほど好奇心旺盛です。
それもあって人懐っこい動物とされますが、その性格もまた絶滅の危機を招いた一因ともされています。 人間が持ち込んだ肉食性の哺乳類にも無防備に接近してしまうので、そのまま襲われることもしばしばあるようです。