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マフィア風の超ド級スポーツワゴン、トヨタ クラウンエステート(1999年)
ほとんどは存在感が薄かった、スポーツ系以外のLクラスワゴン

マフィア風の超ド級スポーツワゴン、トヨタ クラウンエステート(1999年)

「あのクラウンにもワゴンが!?しかもマフィア級!?」Lクラスの大排気量!1990年代のハイパワースポーツワゴンたち【推し車】
(画像=国産ステーションワゴンで有無を言わさぬ超ド級の威圧感といえば、このクラウンエステート「アスリート」系だろう、『MOBY』より引用)

トヨタはステージアのヒット後もしばらく同クラスワゴンをラインナップしませんでしたが、1999年にモデルチェンジしたクラウン(11代目S170系)に2.5リッター直6ターボの傑作「1JZ-GTE」(280馬力)を積む「アスリートV」が登場すると、そのワゴン版を設定。

「クラウンエステート」と名付けられた新型ワゴンは、ベース車同様に3リッター直6自然吸気エンジン2JZ-GEを積むロイヤルサルーンとアスリートGを頂点に、1JZ-GTEを積む高級スポーツワゴンの「アスリートV」をラインナップ。

当時のクラウンアスリートVは、かつての初代日産 シーマを思わせる「迫力満点の大柄ボディに大トルクの大排気量ターボエンジンを積み、乱暴とさえ言える加速と高級感の両立」が魅力で、クラウンエステートのアスリートVもそれをしっかり受け継いでいました。

筆者にとっても実は思い出深いクルマで、サラリーマン時代に取引先が黒塗りのクラウンエステート アスリートVを数台連ねて現れ、スーツ姿の屈強な男たちが何人も降りてきたのを見て、幼稚園などへ教材を納める会社のはずなのに、どこのヤ◯ザかと思ったものです。

その種のクルマとしてアルファードが多用される以前、威圧感を前面に押し出すにはピッタリなクルマで、ステージア(260RSは除く)が爽やかなスポーツ路線なら、クラウンエステートはダーティなマフィア風スポーツワゴンといったところでしょうか。

ワゴンブーム終了でアスリートVはカタログ落ち、2007年まで販売された末期には格調高い内外装から霊柩車需要が多かったと言われますが、これまたスポーツ路線のステージアに真似できない芸当で、同クラススポーツワゴンでも個性の違いが際立ちました。

なお、2024年には新型「クラウンエステート」が出る予定ですがクロスオーバーワゴン的なモデルで、過去のエステートとはだいぶ違うようです。

ほとんどは存在感が薄かった、スポーツ系以外のLクラスワゴン

「あのクラウンにもワゴンが!?しかもマフィア級!?」Lクラスの大排気量!1990年代のハイパワースポーツワゴンたち【推し車】
(画像=スポーツ系以外のLクラスワゴンは、コスパに優れたこのセフィーロワゴン(2代目セフィーロがベース)くらいしか成功作はなかった、『MOBY』より引用)

Lクラスワゴンとしては、他にラグジュアリー系が数台ありました。

トヨタがアメリカから輸入していたセプターワゴン後継のカムリグラシア(1996年)と、その姉妹車でFF車なのにマークIIを名乗ったマークIIクオリス(1997年)、日産がFF化した2代目セフィーロに追加したセフィーロワゴン(1997年)。

そして三菱がワゴンブーム以前から輸入していたオーストラリア製マグナワゴンの後継で、同じくオーストラリア製の初代(1993年)/2代目(1997年)ディアマンテワゴン。

ただし、これらのほとんどは元々海外向けで、日本ではLクラスワゴンでも海外では一般的な大衆車ワゴンですから格式が低く、国内専用車として開発されたセフィーロワゴンがコストパフォーマンスの高さで好調なセールスを記録した以外、どれも地味な存在です。

そのセフィーロワゴンすらも、2000年代に入ってワゴンブームが終わるとミニバンに取って代わられており、ラグジュアリー系のLクラスワゴンなんて本当に売っていたのか?何かの幻ではなかったか?と首を傾げるほど、急速に姿を消していきました。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY

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