アミューズ

前菜は、色とりどりのトマトコンフィ、モッツァレラのシャンティ、アンチョビクリームに柑橘のアクセント。

前菜 トマトのコンフィとモッツァレラチーズ

メニューにはこのように書いていましたが、友人が、この緑色のクリームは何だろう、アンチョビではないみたいだけど、と言うので、私も再度それを舐めてみると、何となく、タイ料理などで使うバイマックルー(こぶみかんの葉)に似ていたので、サービスの方にお尋ねすると、それについては聞いてなかったので、キッチンに確認しますと。後で、帰り際に、やはりバイマックルーでしたと教えてくれました。一皿のなかに、最高の味になるように、野菜、ハーブを組み合わせて、多過ぎても少なすぎてもいけない絶妙の配合によって、常に新しい料理を生み出しているのがわかります。

魚のメインは、バジルを纏った縞鯵の炭火焼き、枝豆のニョッキ、ズッキーニとパプリカを合わせて。

縞鯵の炭火焼き、枝豆のニョッキ、パプリカとズッキーニの花

使われているズッキーニは、花の部分。日本では珍しいですが、南仏やイタリアでは、花にリゾットを詰めたり、花自体をベニエ(天ぷら)にしたりして食べます。こういう料理をいただくと、レ セゾンに来て良かったと思います。

お魚の火入れは抜群で、外側はパリッと、中はしっとり。お魚の下に隠れていたトマトは、菱形にカットされていました。昔、フランス料理の学校でトマトを菱形にカットする実習をして、それを思い出しました。帝国ホテルは、本当にクラシックな伝統を守っていると感動します。

お肉のメインは、緑茶と昆布でマッサージされた沖縄アグー豚のロース肉。マッサージされているだけあって、お肉は柔らかで、旨味も染みこんで、しっとり。黒トリュフ入りのジュのソースとジャガイモのピューレと一緒にいただきました。

緑茶と昆布でマッサージされた、沖縄アグー豚のロース肉

デザートは、軽く仕上げたプラリネノワゼットとフランボワーズのソルベ。真っ赤なフランボワーズのソルベと金箔付きのフレッシュフランボワーズに、細かく散らされた、ライムの皮の緑がコントラスト。まずは、愛でてから、スプーンで割ると、中から美味しそうなプラリネノワゼットのクリーム。写真を見るだけでも、またいただきたくなります。

軽く仕上げたプラリネノワゼットとフランボワーズのソルベ

帝国ホテルのシンボルともいうべき、真っ赤な薔薇の装花をレ セゾンだけでなく、以前アフタヌーンティーで訪れた、上層階のアクアというお店でも観ました。プリザーブドフラワーだそうです。造花にしてはリアルだし、ドライフラワーにしては、色が鮮やかだなあと不思議に思っていました。

真っ赤な薔薇のプリザーブドフラワー。冬には、一階ロビー階段前に大きなものがクリスマスツリーとともに飾られます。

現在、一階ロビーの階段前のお花は、夏らしくヒマワリ。この場所にも、冬の時期は、真っ赤な薔薇の1000本のプリザーブドフラワーが、生のモミの木のクリスマスツリーとともに登場するそうです。こちらは、記念撮影スポットらしく、皆さんが入れ替わり立ち替わり、写真を撮っていました。帝国ホテルらしく、海外からのお客さん達が多かったです。

現在の夏用の一階ロビーの装花。観光客の写真スポット。

東京に住んでいると宿泊する機会はあまりないかもしれませんが、季節ごとに、素晴らしいお料理だけでなく、空間自体を楽しみたいホテルです。ぜひ、大切な方と訪れてみてください。

レ セゾン

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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