すべての時間を公的なものに充てていたのかと問われると自信があるわけではありませんが、平成2年、当選2回生の頃、前年に総理を退任された竹下登先生が日仏議連の会長に就かれ、大統領はじめフランス要人との会談のために渡仏される際、随行させて頂いた時のことは強烈に印象に残っています。

飛行機が成田を飛び立って水平飛行に移ったあたりで竹下先生の席に呼ばれ、「お前さんはフランスで何を勉強したいのか?」と訊ねられました。「フランスが核兵器を保有している理由について学びたい」旨お答えしたところ、「お前などでは無理だろうが、竹下さんがお願いすれば誰かしかるべき人が会ってくれるだろう」と仰り、実際にフランス国防省の責任者(たしか後に外相となったシュベルマン氏であったかと思います)との会合をセットしてくださいました。

渡航費用等はおそらく議員連盟の積立金や竹下先生のポケットマネーで賄われていたのだと思いますが、「何を勉強したいのか」を数名の随行議員のすべてに訊ねておられたのを見て、本当に偉い方とはこういうものだと感銘を深くしたことでした。

議員たる者、その言動に自重自戒しつつ、自己研鑽に努めなくてはならない、と改めて思っております。

地元・鳥取ではあちらこちらで久しぶりの夏祭りや花火大会が開催され、コロナ禍で中止されていた三年間の鬱憤を晴らすかのようにどこもかなりの賑わいでしたが、監視員さんが足りないせいなのか、私が子供の頃は大賑わいだった海水浴場の多くが閉鎖されており、寂しい思いが致しました。「恋のバカンス」(1963年)や「天使の誘惑」(1968年)が大音量で流れていたあの昭和の光景が遠い夢のように思われます。

酷暑が続きます。皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

編集部より:この記事は、衆議院議員の石破茂氏(鳥取1区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2023年8月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は『石破茂オフィシャルブログ』をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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