観光を終えてホテルに宿泊する時も、夕食や風呂の時間、明日の用意などで非常に忙しく、常に時間を常に気にしながら怒涛のタスクを終えてあわててベッドに潜り込む感じであった。
後半は同じホテルに滞在したり、チェックアウト後もロビーのフリースペースで作業もしてみた。しかしそれをするとワークは捗ってもバケーションがおざなりになり本末転倒である。チェックアウト後も観光先のアクセスや営業時間などのリサーチ時間の捻出が実質的タイムリミットとなってしまい、結果として仕事も観光も中途半端になるのだ。
理由3. セキュリティ対応最後の理由はセキュリティが脆弱になることである。
物質的なセキュリティ面で言えば、オープンスペースに貴重品を置いたままにはできないので、常に荷物を気にすることになる。日本ではそうそう盗難のリスクはない。しかし、昨今外国人観光客も増えてどこも混雑しており、公共の場にはいろんな人がいることを考えると気軽に荷物をおいてトイレにもいけないのだ。
デジタル的なセキュリティ面は、インターネット接続である。ホテルのロビーのWifiは暗号化されているが、それでも公共の通信回線で銀行や証券などのサイトへのログインはどうしてもはばかられる。結果、重要なサイトへのアクセスの時だけモバイル通信につなげるという手間が発生する。このあたりは別途VPNを契約するか、モバイルルーターを準備すれば解決するが、それでも荷物や手間が増える。ワーケーションは自宅でネット接続をするより、圧倒的にセキュリティに対するプレッシャーがかかる。
こうしたセキュリティ対応に迫られることで仕事や観光以外のマインドシェアが専有されると感じる。
◇
結論としてワーケーションは、持参する荷物も肥大化する上に、仕事も観光も中途半端になりがちになる。観光を優先すると仕事が中途半端になるのが気になるし、仕事を優先すると観光にコミットできなかったことへの後悔が残るので充足感とともに終える難易度はかなり高い。やはり仕事をする時は仕事に集中し、観光をする時は仕事は一切せず観光に集中した方がよいと感じる。
自分は子連れだったのでこれに子供の世話が加わり、難易度は更に高かった。忙しくしているのに、タスクが進まないもどかしさが強く、ワークとバケーションは混ぜるよりわけた方が断然合理的だと思えた。
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