南極飛行中に地下世界に迷い込んだパイロット
こうした背景を持つアガルタはフィクションの世界にも登場するようになる。
アメリカン人作家、ウィリス・ジョージ・エマーソン(1856-1918)の1908年の作品『The Smoky God(邦題:地球内部を旅した男』は、オラフ・ヤンセンという名のノルウェー人船員の手記という設定で、ヤンセンの帆船が北極にある“ポータル”を通過して地球内部を探検した物語が描かれている。
同作によれば空洞の地球内部の中心には白い煙幕に覆われた太陽(スモーキー・ゴッド)が輝き、身長4メートル近い人々が先進技術に囲まれた都市・アガルタで暮らしていた。ここでヤンセンは2年間を過ごしたのである。

アメリカ陸軍の大尉、ジョン・クリーブス・シムズJr(1780-1829)は著書『同心円と極地の空洞帯』(1963年刊)で地球空洞説を提唱し、地球は厚さ1300km、北極と南極に直径2300kmの開口部を持つ空洞であり、地表の海はそのまま裏側にまでつづいていると説明した。このシムズの説は、初期の地球空洞説のなかでも最もメジャーな概念になった。
シムズは自説を裏付けるために北極の探検行を計画したが、費用が集まらなかったため計画は頓挫し、その後1829年に48歳の若さで亡くなった。
このように理論とフィクションの中で語られてきたアガルタだが、新たな展開が訪れたのは1963年であった。
アメリカの退役軍人、リチャード・バード氏が出版した『The Hollow Earth(空洞地球)』で当時海軍のパイロットとして作戦に参加していた1947年、南極探検飛行の最中に氷床の大穴の中へ迷いこみ、緑溢れる広大なジャングルを訪れた冒険譚が綴られている。やはり南極に地下世界へ通じる“ポータル”があるのだろうか。

南極はナチスのヒトラーも多大な関心を寄せており、ナチス党政権下にも何度も南極探検隊が派遣されている。ナチスの探検隊がもし“ポータル”を発見したとしてもそれを公表するはずはない。そしてもし地底都市・アガルタに接触していたとしてもそれは同じだろう。
ちなみに2016年にはアメリカ、中国、ロシア、日本などを含む24カ国と欧州連合(EU)の間で、南極に世界最大の海洋保護区が設けられ、35年間立入を禁止する条約が成立している。いわゆる“陰謀論”ではこの条約は南極にある“ポータル”を隠蔽する目的で成立されたと受け止められているようだ。
はたして南極に地下世界へと通じる“ポータル”があり、そこには理想的な先進文明都市・アガルタが繁栄を誇っているのだろうか。そして南極を舞台にした新たな冒険の幕が開ける日は近いのか注目していきたい。
参考:「UFO Sightings Hotspot」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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