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“金”よりも価値がある『パラジウム』が狙われる
触媒の盗難を防ぐアンダーカバーがアメリカで人気
“金”よりも価値がある『パラジウム』が狙われる

触媒コンバーターはエンジンから排出される排気ガス内に含まれる窒素酸化物や一酸化炭素といった有害物質を浄化する目的で装着されており、内部にはプラチナ、パラジウム、ロジウムといった希少金属(レアメタル)が使用されています。
これらは産出国に偏りがあり、パラジウムはそのほとんどがロシアからの供給です。現在はその供給が滞っているため価格が高騰。現在は「金」よりも価値があるとすら言われるようになりました。
触媒コンバーターに使われるレアメタルは、最新のモデルよりも年式が古い車のほうが多く含まれているとされ、またアイドリングストップ機能がある車などはその劣化も少ないため、トヨタ プリウスの3代目や2代目モデルをはじめとした10年~20年ほど前のハイブリッド車両がそのターゲットとなってしまいやすいようです。日本では、国内専用のハイブリッド車としてアクアがあるため、プリウス以外の車種でも油断ができません。
日本の愛知県で発生した触媒コンバーターの盗難では、車内の貴重品には手つかずだったにも関わらず、触媒コンバーターだけが抜き取られていたと報じられていることから、触媒コンバーターだけを狙った窃盗団が存在することがわかります。
触媒の盗難を防ぐアンダーカバーがアメリカで人気
アメリカだけでなく日本でも被害が相次ぐようになった触媒コンバーターを狙った窃盗ですが、ここまで盗難被害が拡大してしまったのは、その盗みやすさにあると言えます。
触媒コンバーターは車体のフロア下、排気系統の中間に装着されているため、ジャッキアップ等で簡単にアクセスできてしまいます。窃盗団はターゲットにした車をジャッキアップし、サンダー等で触媒コンバーターの前後のパイプごとカット。
手慣れた窃盗グループであれば1分もかからないとまで言われ、スーパーマーケットの駐車場などで白昼堂々行われることもあるようです。
こうした被害を防ぐため、ターゲットになりやすいハイブリッド車、特にプリウス向けに、触媒コンバーターを隠すアンダーカバーなどの需要がアメリカで拡大。触媒コンバーター専用のセキュリティアラームなども発売されています。
日本ではまだ一般的ではないものの、日本国内でも警戒しなければならない事態となっているため、今後その対策パーツに需要が高まるかもしれません。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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