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ネフィン山に登る前に寄っておきたいLahardane村のコンビニ
ネフィン山トレッキング
ネフィン山に登る前に寄っておきたいLahardane村のコンビニ

自宅からフォックスフォード経由でコン湖周辺のくねくねと曲がったピンカーブの山道を抜けると、やっとLahardane村のアイコン的存在の教会が見えてきました。
コン湖周辺には、たまにカーブの向こう側から歩いてくる観光客が現れたりするので、ちょっとしたドライブテクニックが必要で小刻みにブレーキをかける必要があります。
そんな山道を地元の人達は慣れているせいか、凄いスピードで登っていきます。そしてどこに行くのかと思い後をついて行ってみると、辿り着いた先がこの教会でした。この日は特別な日だったらしく、教会は多くの人達で賑わっていました。

この日は村にとって特別な日曜日だったせいもあって、全てのお店が閉まっていました。しかし、こちらの郵便局に併設されているコンビニだけは唯一は空いていました。
ありがたいことに店内にはちょっとした休憩スペースがあって、そこでお店で買ったサンドイッチを食べたり、奥にあるパウダールームでお手洗いを済ませたりすることができます。パウダールームは、とてもきれいに清掃されていて、おしゃれな造花が飾られていました。ネフィン山にはトイレが全くないので、登る前にこちらに立ち寄ることをおすすめします。
ネフィン山トレッキング

Lahardane村のメインロードを数百メートル行くと、左に曲がる小さな小道があります。車がギリギリすれ違うことができるかできないかぐらいの道をそろそろと数分進むと、いかにもトレッキングしてそうな恰好の女性ふたりとすれ違いました。
急いで車を停めて、ネフィン山のことについて尋ねると、中級者ならひとりでも余裕で登れるとのことでした。ただ、頂上でいくつか降り口があって、まちがって反対側に降りないようにとのことでした。こちら側は大きなクレーターがあるので、間違えようがないと思ったのですが、実際にこの女性は、頂上で天候が急に悪くなって下が見えなくなってしまい、反対側に降りてしまったそうです。
その結果、長時間行ったり来たりして道に迷ってしまったので、十分気を付けるようにとのことでした。経験者からのアドバイスは貴重ですね。
ネフィン山の看板があるフリー駐車場に辿り着くと、車が2台だけ停まっていました。そのうち1台の所有者がちょうど山から降りてきたところで、この女性からもいろいろと山の情報を聞くことができました。

少し歩くと、羊たちに出会いました。ここにはかつてスコットランドから輸入したと言われている顔の黒い羊がいます。しばらく羊たちに話しかけていましたが、反応が薄かったので羊たちに別れをつげて少し歩くと、2組目の登山グループに遭遇しました。彼らはみな軽装で、途中泥のぬかるみが歩きづらかったが余裕で頂上まで登れた、と言っていました。余裕だったという言うわりには皆こわばった顔つきだったので、本当は大変だったのかも知れないと思いました。
駐車場には2台しか停まっていなかったので、2組目が下山したということは、こちらの登山口から登っているのは私だけということになります。ひょっとしたら徒歩で訪れていた地元の人もいたかもしれませんが、その時はそれは頭にはありませんでした。観光客や登山者が多ければ1人でも大丈夫だと思っていたのですが、1人きりだと思うと急に心さみしくなりました。

最初の分岐点に到着したところで休憩しました。この分岐点を右に行くように言われたので、右の森を抜けるコースを進みました。

分岐点から見える景色はなかなかいい景色です。ここからは、農村の先にあるコン湖も望めます。車の整備会社の人が、この山から見下ろすコン湖の眺めが美しいと言っていたのを思い出しました。

森を進むと、たくさんの針葉樹が岩山にたくましく生息していることに気づきます。以前アメリカ西部のヨセミテ国立公園を訪れた際にも、途中で多くの岩山を見かけましたが、岩の上には草ひとつ生えていませんでした。
ネフィン山の針葉樹林は、どういった経緯なのかは分かりませんが、岩にできた小さなひび割れの中に木の根が食い込み、その上をふかふかの腐葉土が覆っています。あまり土はない山肌なので、最低限の腐葉土で木が自生しているようにも見えました。

しかし、このようにもとから針葉樹林の森というのは、広葉樹林が主のアイルランドの古代森には珍しく、ほとんどのケースが誰かが人工的に造った森です。おそらくこの森も岩肌の斜面に誰かが少ない土を運んできて木を植えた可能性が高いと思いました。もし、それが本当なら気が通くなるような作業です。

暗い森を進むにつれ、だんだん心細さが増して行きました。それと同時に動物の糞や足跡も増えて行き、急に野生の動物に襲われたらどうしようという不安につつまれました。自分の足の大きさと比較しても結構大きな足跡が数種類ありました。
かろうじてインターネットがつながったのでスマートフォンで調べてみると、この山麓にはかつて熊を放牧した外国人がいて、その熊の子孫がいまだに棲みついているという記事を見つけました。
結局怖くなって、森を抜ける前に下山してしまいました。あとから夫にこれらの足跡の写真を見せたところ、ヤギと大型犬の足跡だと大笑いされてしまいました。野生のヤギもしくは近所の農家から逃げ出したヤギかもしれないとのことでしたが、ヤギは予想外でした。
ちなみに、熊については誰に言っても大笑いされますが、あの記事はいったい何だったのでしょう。あまりネットニュースに踊らされない方がいいということなのかもしれません。