〇人種別の労働参加率、失業率
人種別の動向を紐解く前に、人種別の大卒以上の割合を確認する。2010年と2016年の比較では、こちらの通りアジア系が突出するほか、白人が全米を上回る一方で、黒人とヒスパニック系は全米を大きく下回っていた。なお、正確にヒスパニック系は中米・中南米系出身者を指し、人種にカテゴリーにあてはまらないが、便宜上、人種別とする。
人種別の労働参加率は、白人を除き全て上昇(データは季節調整済み)。黒人は62.7%と年初来で最低だった前月の62.6%を小幅に上回ったが、2008年8月以来の高水準だった3月の64.1%を大幅に下回った水準を保つ。ヒスパニック系は67.4%と2020年2月以来の水準へ上昇。アジア系も65.7%と2010年4月以来の高水準だった。一方で、白人の労働参加率は4カ月連続で2020年3月以来の水準に並んだ水準を維持した。
・白人 62.3%と4カ月連続で20年3月(62.6%)以来の水準を維持、2020年2月は63.2% ・黒人 62.7%、前月は62.6%と年初来で最低、3月は64.1%と2008年8月以来の高水準 ・ヒスパニック系 67.3%と22年2月以来の高水準、前月の66.9%、2020年2月は67.9% ・アジア系 65.7%と2010年4月以来の高水準、前月は65.4%、2020年2月は64.5% ・全米 62.6%で5カ月連続で横ばいで20年3月の水準に並ぶ、2020年2月は63.3%
チャート:人種別の労働参加率、黒人のみ低下
(作成:My Big Apple NY)
人種・男性別では白人とヒスパニック系が上昇も、黒人のみ低下。黒人は10カ月ぶりの水準に低下した。
・白人 70.2%、前月は70.3%と22年10月以来の高水準、2020年3月は71.0% ・黒人 68.3%、前月は68.0%、3月は70.5%と2009年1月以来の高水準 ・ヒスパニック系 79.9%と2020年6月以来の高水準(80.1%)、前月は79.8%、20年2月は80.3%
チャート:人種・男性別では白人が低下も、黒人とヒスパニック系は上昇
(作成;My Big Apple NY)
人種・女性別では、白人と黒人が上昇した半面、ヒスパニック系のみ低下した。
・白人 57.7%と2020年2月以来の高水準(58.2%)、前月は57.6% ・黒人 63.0%、前月は62.9%と6ヵ月ぶりの低水準、3~4月は63.9%と20年2月(63.9%)の水準に並ぶ ・ヒスパニック系 61.1%、前月は61.3%と4ヵ月ぶりの水準へ上昇、2月は61.5%と20年2月以来(62.2%)の高水準
チャート:人種・女性別は白人と黒人が著しく改善
(作成;My Big Apple NY)
人種別の失業率は、まちまち。労働参加率が上昇したアジア系はが前月の3.2%→2.3%と2019年6月以来の低水準となったほか、同じく労働参加率が小幅上昇した黒人も前月の6.0%→5.8%へ低下。一方で、労働参加率が上昇したものの、ヒスパニック系は前月の4.3%→4.4%へ上昇、労働参加率が4ヵ月連続で横ばいだった白人は失業率も2カ月連続で変わらずだった。
・白人 3.1%と前月と変わらず、22年12月は3.0%と20年2月(3.0%)に並ぶ ・黒人 5.8%、前月は6.0%と22年8月以来の6%乗せ、4月は4.7%と過去最低を更新 ・ヒスパニック系 4.4%と3カ月ぶりの水準へ上昇、前月は4.3%、なお22年9月は3.9%とデータが公表された1973年以来の低水準 ・アジア系 2.3%と2019年6月以来の低水準、前月は3.2%、22年12月は2.4%と19年6月以来の低水準に並ぶ ・全米 3.5%、前月は3.6%、4月は3.4%と1月に続き1969年5月以来の低水準
チャート:人種別の失業率はヒスパニック系を除き全て上昇、特に黒人は過去最低から大幅に上昇
(作成:My Big Apple NY)
人種・男女別では以下の通り。労働参加率が上昇した白人女性と黒人女性、そしてヒスパニック系男性で失業率が上昇した。ヒスパニック系女性は、労働参加率の低下を一因に前月と変わらずだった。白人男性は労働参加率の低下もあって、前月と横ばい。黒人男性のみ、労働参加率の改善に合わせ、失業率も低下した。
・白人男性 3.0%、前月と変わらず ・白人女性 2.7%、前月は2.6%で過去最低 ・黒人男性 5.3%、前月は5.9%と2022年8月以来の高水準 ・黒人女性 5.9%と2022年8月以来の高水準、前月は5.7% ・ヒスパニック系男性 3.5%、前月は3.3%と2022年9月以来の低水準 ・ヒスパニック系女性 4.3%と前月で変わらず、4月は3.1%と過去最低
チャート:人種、男女別の失業率
(作成:My Big Apple NY)
白人と黒人の失業率格差は前月まで2カ月連続で大幅に拡大した後、今回は小幅に縮小。白人の失業率が横ばいだった一方で黒人が低下したためで、失業率格差は2022年8月以来で最大だった前月の2.9ポイント→2.7ポイントとなった。ただし、過去最低を更新した4月の1.6%ポイントから大きく上昇した水準を保つ。
チャート:白人と黒人の失業率格差、2022年8月以来で最大
(作成:My Big Apple NY)










































