■他人のマイナ保険証 顔写真かぶったら使えた 「なりすましできてしまう」医師懸念
「これでは、なりすましもできてしまう」―。長崎市の内科医院院長(67)が2日、自らの顔写真をお面のようにかぶった女性スタッフに自分のマイナ保険証を使ってカードリーダー(読み取り機)で顔認証を試みたところ、あっさり認証され、その後の手続きに進めてしまった。院長は警鐘を鳴らすためにもその一部始終を動画に収めた。
(中略)
政府は現行の保険証からマイナ保険証への切り替え理由に「不正利用」の防止を挙げている。
厚生労働省は1日に行われた立憲民主党のヒアリングで、今の保険証の不正利用について「市町村国民健康保険において、過去5年間(2017~2022年)に、少なくとも50件ある」と文書で回答しているが、同党の杉尾秀哉参院議員は「それ以外の全体の不正利用件数を出せと言っても数字を出さない。マイナ保険証で本当になりすましを防げるのかはなはだ疑問だ」と話している。
医師の実験によって、顔写真をお面のようにかぶればマイナ保険証の顔認証ができることが判明しましたが、これで「なりすまし」が可能になると思う人はほとんどいないはずです。なぜなら厚生労働省はカードリーダーを有人の受付付近に設置することを想定しているため[資料]、顔写真をお面のようにかぶって顔認証をする時点で「なりすまし」がバレバレとなってしまうからです(笑)
一方、従来の紙の保険証には顔写真が存在しないため、顔写真をお面のようにかぶらなくても「なりすまし」を実行することができます。つまり、マイナ保険証は、紙の保険証よりも「なりすまし」に対する防止効果く、このことはマイナ保険証への切り替えの合理的根拠となります。
このように、自説に好都合な情報のみに着目して自説に不都合な情報を無視する「選択的注意の誤謬」によって、トンデモない結論が得られることがあります。なお、以上は医師や東京新聞が無意識に結論を導いていることを前提にしていますが、これを意図的に行っているとすれば「半分真実の詭弁」ということになります。わかりやすく言えば、「選択的注意の誤謬」はおっちょこちょい、「半分真実の詭弁」は嘘つきであることを意味します。
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