選択的注意の誤謬

Selective attention

自説に不都合な事実を無視し、好都合な事実のみに着目して結論を導く

<説明>

自説に好都合な情報のみを一方的に与えて自説に不都合な情報を隠す意図的な詭弁である「半分真実」に対し、自説に好都合な情報のみに着目して自説に不都合な情報を無視する無意識の誤謬が「選択的注意の誤謬」です。「半分真実」と「選択的注意の誤謬」の違いは論者の意図が関与するか否かであり、外形上は区別が困難です。

誤謬の形式

論者Aの主張を弱く肯定する事実FAと強く否定する事実FBが存在する。 論者Aは事実FBを無視して、事実FAのみに着目する。 情報受信者は事実FAのみに基づいて論者Aに都合がよい意思決定に至る。

<例>

<例>

息子:お母さん、今日返ってきた学校のテストの点数は、算数100点、理科100点、社会100点、国語60点だったよ。 母親:落第すれすれじゃない。もっと勉強しなさい。

普通に考えれば、立派な結果ですが、確かに国語の結果だけに着目すると60点です(笑)

<事例>マイナ保険証のなりすまし

<事例>東京新聞 2023/08/02