ロシアのプーチン大統領が昨年2月24日、ロシア軍をウクライナに侵攻させて以来、まもなく1年半を迎える。ロシア軍はウクライナでは単に軍事施設だけではなく、水道・電力関連施設など産業インフラに攻撃を加え、民間住宅地、病院、幼稚園、そして宗教関連施設への砲撃も躊躇していない。
キエフ近郊の「ブチャの虐殺」、東部ドネツク州のマリウポリ市の破壊、そして6月6日未明、南部へルソン州でドニプロ川に設置されたカホフカ水力発電所のダムが破壊され、決壊した。7月に入れば、プーチン大統領は「世界の穀倉地」と呼ばれ、世界の食糧供給源のウクライナ産穀物の黒海経由への輸出にストップをかけている。プーチン氏は文字通り、世界を敵に回して、自身のナラテイブを信じて暴走してきているわけだ。
戦争は多くの悲劇を生み出す。メディアでは報じられなかったが、多くのビリイさんをこれまで生み出してきたことだろう。若者らしく未来に希望を感じながら初出勤した日にビリィさんは亡くなった。家族、知人、友人たちも悔しいだろう。
なお、ウクライナ検事総長室の戦争犯罪調査部局が2日、明らかにしたところによると、ロシアの侵略以来、これまで殺害されたウクライナの民間人は約1万0749人で、負傷者は1万5599人に達したという。犠牲者の中には499人の子供たちが含まれている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年8月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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