株式会社エクサウィザーズ(以下、エクサウィザーズ)は、子会社の株式会社VisionWiz(以下、VisionWiz)が提供する自動写真サービス「とりんく」の画像認識AI技術を活用した取り組みが、文部科学省の実証事業として採択されたと発表しました。

この実証事業は、初等中等教育が抱えている重要課題に対し、先端技術や教育データを効果的に利活用することによって解決・改善を図るもの。2023年7月より石川県加賀市および大阪府箕面市の教育現場で事業を開始します。

最新の動作解析や表情分析モデルを活用

教育現場において適切な学習環境の整備や教育的取り組みの質向上を実現するためには、その効果を適切に評価し、継続的に改善することが必要不可欠とされています。

しかし、アンケートやインタビュー、現場立ち会いを行うといった従来の方法では、施策実施から評価まで複数年の期間を要することが通例となっており、検証と改善の効率性などに課題があったとのこと。

今回の実証事業では、VisionWizが運営する「とりんく教育研究所」に蓄積してきた自治体や研究機関との連携ノウハウのほか、同社が多数の保育施設や習い事教室に「とりんく」を提供するなかで蓄積してきた画像認識AI技術および最新の動作解析・表情分析モデルを活用します。

写真関連の業務を自動化する「とりんく」

「とりんく」は、保育園などでの子どもの自然な日常の様子を自動撮影、自動整理(良い写真の選択/子どもの位置調整/画像補正)し、自由に配信できるサービスです。

「とりんくカメラアプリ」をインストールしたスマートフォンでは、ローアングルでの子どものベストな表情を、画面を見ずに自動検知でノールック撮影できるため、忙しい保育の業務と撮影を両立できます。

加賀市の実証事業:教員や子どもの様子をAI解析

加賀市では、福井大学をはじめとした複数の組織と連携することで、授業を一斉授業から子どもを主役にした授業スタイルへの改革を進めています。

加賀市における実証事業では、教員や子どもの授業中の様子や行動をカメラで撮影・AI解析し、授業スタイルの変化と子どもの学びの変化との関係性などを評価します。

そして、教員研修でどのような資質能力をつければ子どもの学びの変容につながるのかという指標の策定および研修の効果測定を実施するとのこと。

「授業が変わることで、子どもの授業への積極的な参加度や、集中状況や学び方に変化があるか」「教員と子どものお互いのコミュニケーションの取り方にどのような変化があるか」などについて、AIを活用して多角的に分析することで、教育現場での指導改善のサイクルをより高度かつ効率的なものにします。