松川さんのエッフェル塔ポーズでミソを付けた感は否めませんが、それでも最近立て続けに支部長就任が決まった自民新人候補の顔ぶれは錚々たるもの。私は大いに期待を膨らませています。
その筆頭格ともいえるのが、ツイッター界隈で話題の東京8区・かどひろこ(門 寛子)さん。
経産省出身として霞が関アカウントの中でもひときわ異彩を放ち、肩の力を抜いたツイートには私も注目していました。先日の転身表明にはさすがに驚きましたが、不思議と違和感はなかったです。かつて尾崎行雄が唱えた政治家の条件のひとつ「出たい人より、出したい人を」にも適っており、それ以上に「ブラック」の悪評いちじるしい霞が関を変えてくれるのでは。そんな期待が膨らみます。
門さんだけではない、「むこじゅん」の愛称で政策通としても知られる北海道8区・向山淳さん、農水省出身の東京新18区・福田かおるさんなど、即戦力が期待される新人の相次ぐ擁立は、前掲書の影響が少なくないのでは。私はそう捉えています。
かつて尾崎財団は憲政史上初の女性官房長・森山真弓法務大臣を理事長に戴いていました。各氏が「パリの憂鬱」を他山の石として堅実に歩まれたら、第2・第3の森山理事長がいずれ誕生するかも知れない。そう期待しています。

森山真弓・元官房長官
先に自民党の注目候補について書くと与党寄りの誹りをあびるかも知れませんが、あくまでも私の場合は党よりも人物本位の不偏不党です。与党でも駄目なものは駄目だし、野党でも光る人物は大いに評価したい。むしろ政治のバランスを考えると、与党よりも野党こそが自民党に負けじと頑張っていただきたい。そうエールを送りたいです。
立憲民主党ならば北海道7区・しのだ奈保子さんや埼玉3区の竹内千春さんなどの法曹出身者が即戦力として期待が持て、国民民主党では千葉5区・岡野純子さん、愛媛1区・石井智恵さんをはじめとする議会経験者の方々は地方分権の旗手として期待が膨らみます。
もちろん、ここでは書ききれない多くの女性候補者にも期待を寄せています。彼女たちが来たる激戦を勝ち抜け、国会で大いに論戦を戦わせてほしい。そう願います。
「イエ中心主義」の政治の世界において、今なお険しい女性の政治道ですが、かつては近藤鶴代さん松谷(園田)天光光さんなど1946年に初当選を果たした39名の女性議員たち、そして前述の森山真弓さんなどは男ばかりの「道なき道」を切り拓いて来ました。

左:近藤鶴代議員、右:松谷天光光議員
それゆえ先人たちに想いを馳せ、前掲書の元となった安藤優子さんの博士論文「国会における女性過少代表の分析」を、いつか過去のものにしてほしい。そして「イエ中心主義」の向こう側にある扉を、ぜひとも党派を超えてこじ開けていただきたい。尾崎行雄もきっと、そう願っていることでしょう。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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