アメリカではこれらは『政治的な正しさ』の象徴として支持されてバズっているという悲しくも鋭い指摘もあります。
バービーとオッペンハイマーと原爆と表現の自由について、そして『キャプテン・マーベル』脚本がアメリカに対して取った距離について書きましたそれは『不謹慎な悪ふざけ』ではなく『アメリカSNSの正義』であるという話、原爆の父の肩に乗るフェミニズムと表現の自由についてOfVAXLqIz
— CDB@初書籍発売中! (@C4Dbeginner) July 31, 2023
もしかしたら、アメリカの多くの人たちは、この映画に対して日本人とちがう感想を持つのかもしれません。
『オッペンハイマー』で最も恐ろしいのは、アメリカはナチスに対抗して原爆を開発するが、ナチスが滅んだのに、今度はソ連に対抗するために日本に落とそうと会議する場面。役人たちが「どこに落とそうか」「京都はダメだ」などと話し合う。そこに住む人々のことなど微塵も想像せずに。
— 町山智浩 (@TomoMachi) July 26, 2023
もちろん、アメリカ人の中にも原爆投下への疑問を持つ人もいます。教育に地域差があるようです。
原爆が話題になってて、アメリカ人は皆投下は正しいことだったと思ってる、という風潮なので夫の場合を書きます。夫はアメリカ公立の歴史の授業で、2つの原爆は完全に不必要なものだった、と習ったそう。すでにほぼ負けている国に1つならず2つも原爆を落としたのはやってはいけないことだったと。
— Yuki (@CADesignLab) July 31, 2023
ニューヨークタイムズも「被爆国の日本ではバーベンハイマーは笑い事でない」と指摘しています。
NYT「被爆国の日本ではバーベンハイマーは笑い事でない」
論理的に言えば、「原爆投下の他に方法がなかった」とする米国による原爆投下の正当性の主張においても、論証過程で原爆被災者は明確な犠牲者であり、この存在に鞭打つ行為は米国でも笑い事ではないはずですAEj5KHb45I
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara) August 1, 2023
話題のホラー映画『ヴァチカンのエクソシスト』のプロデューサー、ジェフ・カッツ氏も「アメリカの若者は歴史認識がなく、他人の感情に対して失礼」と日本語で遺憾の意を表明。
このようなことが起こって大変申し訳ございません。アメリカの若者は歴史認識がなく、他人の感情に対して失礼です。私は日本の人々に愛を送り、私は断固として反戦であることを表明したいと思います。日本が味わった苦しみは、世界のどこでも二度と繰り返してはなりません。戦争ではなく愛を!❤️🇯🇵🙏 D6CdAzxf
— It's Katz (@PodKatz) July 31, 2023
日本人の中にも思考停止があったのかもしれません。アメリカだけでなく、日本のマスコミも原爆投下を正面から取り上げることはありませんでした。
アメリカが広島と長崎に原爆を落としたことは明らかに国際法違反の戦争犯罪なのに、朝日を初めとする日本のマスコミはその戦争責任を問わないで「原爆の悲惨」だけを報道してきた。…
— 池田信夫 (@ikedanob) May 21, 2023
「バーベンハイマー騒動」は、単なる炎上劇ではなく、とても深くて暗いものに光を当てることとなりました。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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