ABB FIA フォーミュラE選手権シーズン9も残すところ2戦。2023年7月29日、30日、この英国・ロンドンでのダブルヘッダーでシリーズチャンピオンが決まる。

ポイントラインキングではジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・ポルシェ)が195点でトップ。24点差で2位がニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)、44点差で3位ミッチ・エバンス(ジャガー)、49点差で4位パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)。この4名に絞られたと言っていいだろう。

優勝は25点でポールポジションが3点、ファステストラップが1点で、最大29点を1レースで獲得でき、2レースでの最大獲得可能ポイントは58点。デニスがノーポイントで終われば、残り3名にチャンスがあるというわけだ。

ABB FIA フォーミュラEシーズン9 第15戦ロンドン 最終戦を待たずにジェイク・デニスがシリーズチャンピオンを獲得
ジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・ポルシェ)(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

またジャガーのパワートレインが2台、ポルシェが2台という構図も興味深く、日産やNIO、DSが予選では速さを見せるものの、決勝でのエネルギーマネージメントに苦しみ、結果に結びつかないケースも多かったというのがシーズン9だ。

さて、第15戦のロンドンは例年どおり、「エクセルロンドン展示場」を使っての特設コースで、インドアとアウトドアが組み合わされたユニークなレイアウト。インドアのフロアはミューを上げるために加工している様子で、ザラついた路面になっている。またアウトドアは展示場の駐車場を利用したレイアウトで、スロープまで使用した特設コースだ。さらにブリティッシュ・ウエザーというようにいつ雨が降り出すかもわからない天気もあり、混戦が予想された。

ABB FIA フォーミュラEシーズン9 第15戦ロンドン 最終戦を待たずにジェイク・デニスがシリーズチャンピオンを獲得
屋内外を走行する個性的なサーキットだ(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

グループ予選A組ではチャンピオンシップリーダーのデニスがトップ通過し、エバンス、ストフェル・ヴァンドーン(DS)、レネ・ラスト(マクラーレン・日産)の4名がデュエルスに進出した。

そしてグループ予選B組では、シリーズ2位のキャシディがトップ通過し、以下キャシディのチームメイトのセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・ジャガー)、ダン・ティクタム(NIO)、ヴェアラインがデュエルスに勝ち上がった。

デュエルスのQFではエバンスとデニス、そしてキャシディとブエミが勝ち上がったが、キャシディとブエミはチームメイト同士であり、チャンピオンを争うキャシディにポールポジションの3ポイントは取らせたい状況だ。

ABB FIA フォーミュラEシーズン9 第15戦ロンドン 最終戦を待たずにジェイク・デニスがシリーズチャンピオンを獲得
ポールポジションを獲得したミッチ・エバンス(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

SFではそのキャシディが予定通り勝ち上がり、一方でエバンスがデニスを下して勝ち上がってきた。そしてデュエルス決勝ではエバンスがポールポジションを獲得して3ポイントをゲットした。

この時点でデニスとエバンスの差は41点ということになった。しかしながら決勝ではエバンスは前のローマでのレースでペナルティを受けており、この第15戦では5グリット降格処分が適用され、ポールはキャシディということになる。