カヤック操作による解決策

まずはカヤックの操作で解決する方法から解説します。

バーチカルな釣りでの底取りテクニック

水深が深いエリアでは、魚探に反応があったらなるべく真下にルアーを投入したいところ。斜めにルアーが落ちていくと、魚の群れから離れたところをルアーが通過してしまいます。ホバリングを駆使して対応しましょう。

ホバリング

ホバリングとは、ポイントの真上に定位すること。おもにバーチカルの釣りで役立ちます。前後の位置と向きをうまく整える必要があり、なかなか難しいテクニックです。

ラインの出ていく方向に合わせて前進したりバックしたり、さらにカヤックが横向きにならないようにラダーを操作したり……。どうしてもうまくいかない状況ならば、スパンカーを使用するのも有効な解決策。カヤックの向きを整えてくれるので、前後の調整だけに集中できるのでホバリングがかなりラクになります。

カヤックフィッシングの必修スキル【底取り】徹底解説 4つの対策とは?ホバリングイメージ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ホビーカヤックなら簡単

ホビーカヤックは多くのモデルがバック可能で、さらにロッドを持ったままペダルやレバーを操作できるので、ホバリングしながらの釣りがとてもしやすいと感じます。筆者の場合は、乗っている人間のテクニックよりも、カヤックの性能に助けられている部分が大きいですね。

フリーハンドで向きを変える

足漕ぎカヤックは、あらかじめラダー操作用レバーをひねっておけば、ペダルを漕ぐだけで少しだけ前進しながら、左右に向きを変えることが可能。フォール中であっても、ほんの一瞬レバーに触れば微調整もできます。

カヤックは放っておくと横向きに流されることが多いですが、安定性の面であまり望ましい状態ではありませんし、底取りもやりづらくなります。風や潮流に対してカヤックの頭を向けたい時は、このテクニックを使ってみてください。

カヤックフィッシングの必修スキル【底取り】徹底解説 4つの対策とは?カヤックの頭を微調整するイメージ図(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

カヤックによっても違う

カヤックのモデルによって、コントロールのしやすさや流されにくさに違いがあります。カヤックの自重や長さ、底面の形状、操作系の構造など影響する要素は様々。

こればかりは、実際に乗り比べてみないとわかりづらいところです。参考として、今回のテーマに最適なカヤックがホビー社から発売されていますので、後ほどご紹介します。

フォールのコントロールによる解決策

続いては、ルアーのフォールをコントロールすることによる解決術です。

キャスティングでの底取りテクニック

比較的浅いエリアでは、広くポイントを探るために、キャストしてから底取りをするのがおすすめです。ベタ凪・無風であれば、とくに意識しなくても大丈夫ですが、風があれば風向きによって底取りのコツが変わってきます。

追い風でキャストする場合

追い風状態でキャストした後は、落としたルアーに近づくようにカヤックが流れていくので、糸ふけが出たままになりがち。

この場合は、テンション(カーブ)フォールをさせながら、必要に応じてカヤックをバックさせてホバリングするか、リールでラインを少しずつ巻き取って、糸ふけを一定に保つのがコツ。

ラインがフッとたるむ瞬間が着底のタイミングになるため、ラインの動きをよく見ておきましょう。

向かい風でキャストする場合

向かい風でキャストすれば、ルアーとカヤックが離れていくため、終始ラインが張ったままになりやすい状態に。テンションフォールでは、着底時のラインのたるみがわかりづらいため、この場合はフリーフォールを使います。

スプールからラインが放出されるのをサミングやフェザリングである程度調整しながらフォールさせ、ラインが止まれば着底。完全フリーで落としていくと、着底した後もカヤックが流される分スルスルとラインが出てしまうので注意します。