スズキもウッカリ作ってしまったカルタスワゴン
ワゴンブームの中でもっとも意表をつく存在は何かといえば、スズキのカルタスワゴンかもしれません。
何しろスズキは小型車自体、1960年代に小型車販売の実績づくり程度に「フロンテ800」を販売し、1983年代に米GMの販売網で売るため初代「カルタス」を発売、商用登録の「カルタスバン」はただの3ドアハッチバックで、ライトバンもワゴンも実績なし!
そのため、1995年の発売当初は「カルタス・クレセント」を名乗った3代目カルタスへ、1996年にステーションワゴンの「カルタス・クレセントワゴン」を追加、しかもセダンやハッチバックにはない(※)1.8Lエンジン搭載車まで設定されたのには驚きました。
(※カルタスセダンの1.8L車は型式指定まで受けたものの、市販されずに終わった)
ついこの前まで「軽より安いリッターカー」だったり、「小型軽量ボディにDOHCエンジンを積むこっぱやいカルタスGT-i」の印象が強かったカルタスにカローラ級のワゴンボディが用意され、しかも完成度は結構高い…つまり本気で売ろうとしている?!
しかし目標月販500台と、やる気があるのかないのかよくわからないのが当時のスズキ小型車で、1998年にはベース車同様「カルタスワゴン」へ改名した際、フロントマスクが同年6月発売の3代目スバル レガシィそっくりだと話題になりましたが、ただそれだけ。
海外でも販売しましたが、後継のエリオやSX4にワゴンは設定されず、おそらくスズキの独自生産車としては、最初で最後のステーションワゴンになりそうです。
ワゴンブームでちょっと本格的に取り組もうと気合を入れてワゴン専用ボディで開発、その割に安いのでお買い得とカルタスらしい評価を受けて一時は結構見かけたものの、今ではすっかり忘れ去られています。
ある意味、「スズキまでうっかりステーションワゴンを作ってしまった」ということ自体が、当時のワゴンブームの過熱ぶりを物語っていたかもしれません。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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