4,000万人ものユーザーが利用していたと言われる、位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」。2022年9月1日にサービス終了が発表されると、「なくなったら困る」という声が多数あがるなど大きな反響を呼びました。
その後、2023年2月3日にサービス提供を終了したZenly。今回は、Zenlyがサービスを終了した理由とおすすめの代替アプリと使い方を詳しく解説します。
位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」とは
Zenly(ゼンリー)とは、友達や家族同士で位置情報を共有するアプリでした。
【主な機能・用途】位置情報を活用した待ち合わせ
Zenlyでは、アプリで繋がっている「友達」の現在位置を常に共有し合うことができました。そのため筆者がヒアリングした中高生たちは、これらの機能を活かして、主に近所や地元の駅の近くにいるタイミングが合った友だちと会うためにゼンリーを利用していました。
ゼンリーを使えば相手がどこにいるか分かるので、お互いにアプリで位置情報を把握しながら待ち合わせ場所に向かうという使い方をしている人が多くいました。東京ディズニーリゾートや渋谷ハチ公前など人が多い場所でもお互いの現在地を正確に把握できるので、ゼンリーを使えば合流や再合流の時間や場所を決める必要はありませんでした。
【主な機能・用途】メッセージ、電話
ゼンリーには、メッセージや電話といった位置情報共有以外の機能もありました。
【主な機能・用途】「ゴーストモード」で位置情報共有を一時オフ
場所を知られたくないときはゴーストモードで位置情報共有を一時オフにすることも可能でした。
Zenly(ゼンリー)が人気だった理由、秘訣
多くの人にZenly(ゼンリー)が愛用されていた理由や秘訣は以下の通りです。
無駄なく会えてスキマ時間活用
筆者のヒアリングによると、違う学校の友達同士で繋がっておき、タイミングがあえば一緒に帰ったり遊んだりするという使い方をしている学生がいました。無駄なやり取りをする必要がなく、スキマ時間に近くにいる友達と会えるのが、愛用されていた理由のひとつでしょう。
家族同士で使うケースも意外と多い
親が、学校が終わった子どもの居場所確認のためにゼンリーを使用している例もありました。子どもの送迎や子どもの見守りなどにも便利だったようです。
なぜZenly(ゼンリー)はサービス終了に至ったのか
これだけ多くの人が愛用していたZenly(ゼンリー)はなぜ終了してしまったのでしょうか。背景にはZenlyを運営していたSnap社の大規模レイオフなどが挙げられます。
しかしSnap社の従業員が明かしたところによると、少なくとも一社がZenlyの買収をもちかけていたとの情報もあり、「Zenlyを売却し、他社運営のもとでZenlyを継続しつつ、Snap社は売却益を得る」ルートもあったことに。Snap社がその道を選ばなかったということは、後述する通り、Snapchatに後継機能を用意することを念頭に置いていたとみられます。
レイオフも相まってZenlyを継続運営するのは難しいものの、Zenlyのノウハウを他社に流出させたくないという考えがあったのかもしれません。また売却益が想像よりも小さく、手放すメリットを感じられなかった可能性もあります。
参考元:DIAMOND SIGNAL「米Snapが大規模レイオフで位置情報SNS「zenly」を終了へ、米名門アクセラYCは来年に世代交代」