一人でお金の有効活用はできない

筆者の行き着いた結論としては、結局人は一人だけでお金を有効活用することは極めて難しいということである。逆に言えば誰か大切な人と過ごすならお金は有効活用できるということでもある。

一人で旅行や食事にいっても面白くないが、家族など大事な相手と楽しい時間を過ごすために使うなら何度体験しても楽しいものである。

また自分の大事な顧客へ知識や情報を提供するためにお金を使って書籍を買って学んだり、体験を買ってシェアすることはお金の活用法として優れた手段の一つといえるだろう。この場合、特に金銭的なリターンは深く追求しない。自分が知っている知見を提供することで、相手が喜んでいるのを見て満足する、という自己満足的なものでいい。商品サービスの価値向上としての出費なら、それは事業投資的な色彩を帯びるからだ。

昨今、資産運用やインフレヘッジとしての投資話が広がっている。将来不安から爪の先に火を灯す勢いで蓄財を頑張る人もいる。しかし、お金は使う時に初めて価値が出るものなので、増やすことが目的化してしまえば死を前にした時に後悔してしまわないだろうか?

そう考えるとお金は増やしながら、同時に「心の充足とともに有意義に使う」ということを若い内に意識する必要があると思っている。今もお金の上手な消費については思い悩みながら試行錯誤しながら使っているところである。

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お金は増やすより使う方が難しい
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)

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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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