以前にも指摘しましたが、現在のマイナ保険証のシステムでは不正受診は防止できません。防止できないどころか今のマイナ保険証では不正受診を促進してしまいます。したがって、不正受診防止という観点からは顔認証も暗証番号も必要ありません。ただし、個人情報の不正閲覧を防止することは必要なので、対策は必要です。

対策としては以前に提案した台湾方式を推奨します。この方式では、病院が患者情報を取得する際には病院用のICカードおよび病院職員用ICカードが必要となり、閲覧履歴は記録に残り、患者はスマホやPCにより閲覧履歴を確認することができます。患者がスマホなどで確認するための暗証番号は2段階認証を必須とすればよいです。

従来の保険証は5年くらいは併用が望ましいと考えます。どれくらいの確率で問題が発生するのか十分な時間をかけた検証が必要です。従来の保険証の廃止は検証の後に決めるべきことです。高齢者に対しては、ICカードの電子証明書の有効期間を10年間に伸ばすか、5年ごとに郵送するなどの配慮も必要です。

新ICカードには、高齢者にとって使いやすいこと、国民の不安を払拭できること、不正受診を防止できること、市町村の役所に過大な負荷を与えないことが求められます。熟慮を重ねて新ICカードの仕様を決めてもらいたいものです。

【新仕様提案のまとめ】

・カード裏面のマイナンバーの記載は削除する。
・顔写真付きの紙の通知カードを再発行する。
・希望する人全員に対して暗証番号なしのカードを交付する。
・不正受診防止は目視確認で行う。
・不正閲覧対策としては台湾方式を採用する。
・カード交付には運転免許試験場などを活用する。

文・鈴村 泰/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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