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サニーカリフォルニア改め、「ウイングロード」誕生!
改名もせず「カロゴン」で乗り切ったカローラワゴン
サニーカリフォルニア改め、「ウイングロード」誕生!
しかしやはり、ワゴンブームとして期待できる販売台数に達しなかったのでしょう、1996年にはADワゴンを生産終了するとともに、サニーカリフォルニアも当時の8代目B14系サニーとも、従来の2代目Y10系ADバンとも異なるフロントマスクへフェイスリフト。
さらにはテールデザインまで大胆に変更したY10系「ウイングロード」を発売しますが、型式が同じですから実際はビッグマイナーチェンジに過ぎません。
最近の例で言えば、三菱がeKスペース クロスの外装を中心にビッグマイナーチェンジしたうえで「デリカミニ」と改名、中身は同じでも好調なセールスを記録しているのと一緒で、中身はサニーカリフォルニアそのもののウイングロードも、そこそこヒットしました。
もちろんクルマ好きからすれば、「結局中身はADバンのままだよね?」とわかりますが、一般ユーザーはサニーでもADバンでもなく、名前すら異なる新型車と解釈してくれたのです。
もちろん中身はADバンですから、ベース車がモデルチェンジした1999年には早くも2代目Y11系へモデルチェンジ、その際にADバンのワゴン版とわかる程度の違いしかないデザインで、2001年にはまた大規模なフェイスリフトを余儀なくされますが…(※)。
(やはりコスト面で厳しいのか、2005年にモデルチェンジした3代目もADバンのワゴン仕様デザインで、もうあきらめたかのように2018年で廃止)
少なくとも初代ウイングロードは、お手軽なデザイン変更と改名で、同クラスのインプレッサスポーツワゴンに対抗できたと言えるでしょう。
改名もせず「カロゴン」で乗り切ったカローラワゴン
サニーカリフォルニア/ウイングロードよりもっとお手軽だったのはトヨタのカローラワゴンで、テール周りのデザインをちょっと変えた程度で改名もせず、ひたすら宣伝で乗り切って人気車種になってしまいました。
そもそもカローラは初代からステーションワゴンは海外のみ、日本ではライトバンの「カローラバン」だけでしたが、1980年前後の初期RVブームに合わせて4代目E70系「カローラワゴン」を1982年に国内でも発売。
1991年には7代目E100系カローラがベースの(国内では)3代目を発売するとともに、ビジネスワゴン的な「カローラワゴン」と、一般向けには名前からしてレガシィへ便乗したのが丸わかりの「カローラツーリングワゴン」を分けて設定しました。
バンと同じボディへ化粧直ししただけでなく、リアサスペンションもカローラバン/ワゴンのリーフリジッドと異なりパラレルリンクストラット独立懸架と作りわけるというマジメな仕事ぶり(日産はADバン/ワゴンもサニーカリフォルニアもトーションビーム)。
ある意味バブル時代の開発ならではの贅沢な作りでしたから、1995年にカローラが8代目E110系となってもバン/ワゴンは継続生産(※)され、1997年には内外装をちょっと改め、スポーツエンジン4A-GE搭載車には6速MTまで組むマイナーチェンジを敢行。
(※代わりに古いE90系で継続生産していたスプリンターカリブをE110系へモデルチェンジ)
それでも見た目がカローラバンと大きく変わらなかったものの、カローラツーリングワゴンを「通称カロゴン」と名乗らせ、篠原ともえとユースケ・サンタマリアによるユニット、「カロゴンズ」にCMで「カロゴンズのテーマ」を歌わせます。
カローラワゴン、略して「カロゴン」というわけですが、これを思いついた人は天才だったのでしょう、旧型の仕立て直しに過ぎず、新型車と名乗ったわけでもないのに新型車っぽかったカロゴンは、何とも安上がりなヒット作となりました。
これで手応えをつかんだトヨタは、2000年にモデルチェンジで「カローラフィールダー」と改名、これが3代続いて2023年現在もビジネスグレードの販売が続いており、一般ユース向けには2019年に「カローラツーリング」を発売。
おかげでトヨタは、スバル以外で今でもステーションワゴンを継続している、数少ない日本の自動車メーカーとなりました。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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