俵積田晃太(FC東京)19歳

2023シーズン注目ルーキーの1人であるMF俵積田晃太。FC東京の下部組織からトップチームへの昇格を果たしてJ1第2節の柏レイソル戦でJリーグデビューを飾ると、ここまで16試合に出場。前任のアルベル・プッチ・オルトネダ監督のもとでは途中出場が多かったものの、現在チームを率いるピーター・クラモフスキー監督のもとでは全試合で先発出場を果たしている。

19歳ながら新旧監督に重用されていることからも、能力の高さがうかがい知れると言えよう。特徴は何といってもその突破力。敵陣深くまで抉り、エリア内まで侵入して決定機を作れるドリブルは相手にすれば脅威そのもの。第19節の柏戦では、仕掛けから正確無比なクロスでアシストもマークしている。

今後も活躍が十分に期待できる俵積田だが、懸念事項を挙げるとすれば、今夏FC東京は積極的な補強の動きを見せており、そのうちの1人にアル・ナスル(アラブ首長国連邦)から獲得したMFジャジャ・シルバがいることだ。ウイングを主戦場とする同選手の獲得により、再びベンチスタートが増える可能性もある。

しかし、まだまだ伸び盛りな年齢。チーム内でのポジション争いという試練を乗り越えれば、さらなる成長が見込めるだけに、今季後半戦で最も注目すべき10代選手の1人と言えよう。

横浜F・マリノス MF山根陸 写真:Getty Images

山根陸(横浜F・マリノス)19歳

昨2022シーズン王者となった横浜F・マリノスで、ルーキーイヤーながら11試合の出場機会を得たMF山根陸。本職は中盤中央だが、2023シーズンはサイドバックでも出場機会を得てここまで9試合に出場。持っている能力の高さからすれば少ないようにも思えるが、出場すればやはりその高いポテンシャルが随所に見られる。

冷静なボールタッチと素早い判断から繰り出される精度の高いパスが持ち味。J1第7節の横浜FC戦では、MF水沼宏太のオフサイドで得点が取り消されたため幻となってしまったが、内側のスプリントから見事なシュートでネットを揺らすなど、攻撃でも見せ場を作っている。

連覇を狙う横浜FMは現在2位。首位を走るヴィッセル神戸を僅差で追いかける展開となっている。そんな中、夏の移籍市場でMF藤田譲瑠チマが海外移籍。MFは藤田のほかに喜田拓也、渡辺皓太と実力者ぞろいのポジションでなかなか定位置を掴み切れていなかった山根だが、藤田が抜けた今、後半戦では多くのチャンスが与えられることが予想される。

また、サイドバックで怪我人が出ていることからも、山根のさらなる活躍が期待されることは間違いない。まだまだ出場試合数は少ないが、攻守両面で能力の高さを証明できている。連覇に向けて、シーズン後半戦のキーマンと言っても過言ではないだろう。


ジュビロ磐田 FW後藤啓介 写真:Getty Images