黒坂岳央です。
「人生は楽しい?つまらない?」
これほど人によって答えが分かれる質問はないだろう。同じ人物に質問をしても、聞いた時の年代や立場などで答えは変わってしまう。
よく言われることの一つに「中年期以降は人生がつまらないと感じる」という話だ。これは中年の危機(midlife crisis)などと呼ばれ、同じ仕事や生活の繰り返しに飽き、体力も衰えて亡くなる親族も増加、蓄財が進んでも気持ちよく消費できる対象に困るなど悲観的な思考に染まることから来るとされる。
自分自身「飽き」にはあまり耐性がなく、つまらない生活に苦しんでいた時期がいくつもあったが、今では飽きを克服し人生を楽しくするコツのようなものを得たという感覚がある。持論を取り上げたい。

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まず、なんといってもリスクを取ることである。といっても、人生を破滅させるようなものや、不健全なリスクは回避するべきなのは言うまでもない。ここでいうリスクとはあくまでコントローラブルかつ、論理的にリワードレシオに優れる「価値のあるリスク」に限定される。
たとえば収入を得てある程度手元に資金があるなら、思い切って使ってしまうのだ。資産運用でリスク資産に投じたり、ビジネスで事業投資をするのだ。ファーストクラスで海外旅行にでかけたり、身の丈に合わない高級ホテルやレストランを利用するという非日常を体験するのでもいい。とにかく身銭を切るのである。
「リターンはいいけど、失敗して損をしたくない」という反論があるが、これは明確に誤りだ。リターンを狙ってリスクを取る以上、むしろうまくいかない時は逃げずにダメージを正面から全力で受けるべきである。ギャンブルが楽しいのは、失敗したら手痛いダメージを受けるからである。とてつもなく痛いからこそ夢中に、真剣に、全身の細胞が活性化するほどにフルコミットする。そしてリターンの果実を得られたならばとてつもない多幸感に包まれるのである。
人生がつまらないと感じた時、思い切ってリスクを取ればいい。その瞬間から、血液が煮えたぎり、目はギラつくような時間が降臨する。あくまで健全性の粋を超えない範囲で、時にそんな夢中になるような時間を楽しむのもいいだろう。