超高齢社会となり、医療の需要はこれから10年前後にピークを迎えるものと推測される。情報量は加速度的に増え、説明や書類で医療機関は耐えきれなくなるリスクが高い。それに「働き方改革」という医療従事者の勤務制限を強いられると大変だ。医療従事者の奉仕的精神で医療現場が成り立っていることを理解しない施策が打たれているが、医療現場ではきれいごとでは済まない現実が目前に迫っている。
AIホスピタル化やニューロ技術など、国が兆円単位で投資すべきだと思う。医療分野での国の投資がなければ、この国のAI化・デジタル化は絶対に進まない。数兆円の投資が、数年後には回収でき、日本は医療立国の道を歩むことができる。
高齢化社会の直面している医療の課題を解決することが、国の経済的発展にもつながると思うが、永田町も霞が関も目先のことしか考えられなくなっている。医療分野での異次元の投資に期待したい。
編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年7月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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