男性は顔の赤みが増すと健康的で、魅力的だと女性から思われるかもしれません。
過去の研究では、女性の顔の赤みを手掛かりに、男性が魅力度を高く評価する傾向があることが知られています。
この顔が褐色づいていることが魅力度を高める効果は、男性が女性に対する評価のみで生じるものだと考えられていましたが、そうではないようです。
今回、米ロチェスター大学のクリストファー・トールステンソン氏（Christopher Thorstenson）らの研究チームは、赤みを帯びた男性の顔が、異性から魅力度が高く評価される傾向があることを報告しています。
また論文の中で、男性の顔の赤みが魅力度を上げる効果は、見た目の健康さが高まることによって説明することができると述べています。
研究の詳細は、学術誌「Perception」にて2016年11月24日に掲載されました。
男性の顔の赤みを増すと魅力度は高くなるのか？
ロチェスター大学のクリストファー・トールステンソン氏（Christopher Thorstenson）らの研究チームは、男性の顔画像の赤みを実験的に操作し、見た目の印象にどのような影響を与えるのかを検討しています。
研究チームは女性108名をオンラインで募集し、6つの男性の顔画像の中から最も魅力的な顔を選ぶように指示されました。
実験の顔画像は6名の男性の顔が重ねて、それぞれの比重を均等にして作られた平均顔を用いており、鼻が高いなどの個人の特性が魅力度の評価が影響しない工夫が施されています。
さて顔の赤みが増すことで魅力度の評価に違いは生じたのでしょうか。
赤みのある顔は健康的で、誠実で、政治的保守性が低く、魅力度が高い
実験の結果，評価者である女性は、男性の顔の赤みが増すほど、最も魅力的であると評価する傾向が確認されました。
しかし男性の顔の赤みは魅力度以外の印象も変化させる可能性が考えられます。
後続の実験では、研究チームは顔の赤みが増すことで見た目の健康度が変化し、魅力度が変わっているのではないかと考え、顔画像に対する評価項目を増やして検討を行っています。
実験では、別で募集した女性の実験参加者に6つの男性の顔画像に対し、魅力度の評価の他に、見た目の健康度、誠実性、知的さと政治的保守性についての評価も行なってもらっています。
分析では、顔の赤みが魅力度を高めている現象において、見た目の健康さや誠実性がどう潜在的に仲介しているのかを調べています。
実験の結果、顔の赤みは見た目の健康さを上げ、魅力度を高める効果があることが示されました。
他の性格特性に関しては、顔の赤みが増すと、より誠実で、政治的保守性が低いと評価されました。しかし、これらの印象は顔の赤みが魅力を高める現象において潜在的に仲介する効果を持っていないことが確認されています。
これらの結果は、顔の赤みが魅力度を高める現象では、誠実性などの印象は特に説明力はなく、見た目の健康さの方が現象を良く説明することが分かりました。
今回の研究は、男性の顔の赤みが増すと、見た目の健康度が増し、魅力度が高いと異性から評価される傾向があることが示されました。
過去の研究では、女性において顔の赤みが魅力度を高めることを報告しています。
男性も女性同様に、顔の赤みが見た目の健康さに作用し、魅力度を高めることから、顔の赤みの効果は男女両方に見られる現象だと言えるでしょう。
では具体的にどのようにして顔の赤みを強くすればよいのでしょうか？近年の研究を参考に顔の赤みを増し、魅力度を高める長期的な方法と短期的な方法の2つを提案します。
