ロシア政府もプーケットを外交範囲の拡大先として重視している。今月、プーケットでロシア総領事館の開所式が催され、ロシアのラブロフ外相が参加した。ロシアのタス通信によると、ラブロフ氏は、ロシアとタイの強い繋がりが「地政学的な変動にもかかわらず、相互に有益な方法で関係を構築することを可能にしている」と友好を強調。プーケット副知事のアムヌアイ・ピンスワン氏は、島に上陸するロシア人観光客の面倒を見ると話したという。
ロシア人の増加に街も適応しているという。
国際空港ではロシア語でアナウンスをし、ショップ名や道路標識にもキリル文字が多く見られる。屋台ではパッタイやトムヤムスープにならんでボルシチやブリヌイが販売されている。ロシアのレストランチェーン、Verandaが最近になってタイで5件目の店をオープン。レストランからサウナ、コンサートまで、ロシア人にアピールする企業が次々と生まれているという。
マスターカードやビザといった国際ブランドがロシアで創業を停止するなど制裁が重くのしかかる中でも、人々は「中国のユニオンペイのプラットフォームにつなげたり、デジタル資産、ドルやユーロを現金で支払ったりするなどの回避策」を見つけているという。
ロシア人富裕層の流入は雇用を創出し、商業の活性化させる一方で、ブルームバーグは、他国やタイ国内の買い手を市場から追い出していると指摘。地元の労働者らも、生活必需品や家賃の高騰などインフレの痛みを感じているという。