しかし、成長期に重厚長大産業で効果を発揮した手法も産業構造が変わり通用しなくなりました。また、資金調達の多様化によって銀行の相対的な重要性も低下しています。

それどころか、みずほフィナンシャルグループは合併による弊害に悩まされ、過剰コンプライアンスによって身動きが取りにくい硬直的な銀行になってしまいました。

統合に伴いシステムトラブルが頻発し、金融機関としての信頼感は低下しています。私は、万が一のことを考え、不動産の決済には今もみずほ銀行は使いません。

「日本を強くしたい」と語っていますが、その前にやるべき事は自分たちを強くすることです。

銀行が日本の産業を強くしていく原動力である。そんな上から目線の勘違いが払拭されない限り、みずほフィナンシャルグループの迷走は続くというのは穿った見方でしょうか。

編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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