40代後半の氷河期世代を“補充”するというのが、おそらく最も現実的なプランでしょう。新卒で思うような就活が出来なかった彼らの潜在的な転職ニーズは強いと思われ、転職市場で「求む氷河期世代!」と正規の求人を出せば入れ食い状態になるのは間違いないはず。
実際、既にそういう方向に動いている企業は大手以外では結構ありますね。中小なんて贅沢言っていられませんから。
ただ、ここで予想外の制約が発生します。そう、一昨年に施行された例の70歳雇用ですね。従業員の70歳までの就業機会の確保について、企業に努力義務を課すものです。
「氷河期世代を採るのもいいけど、どうせ70歳まで何らかの形で雇用機会を保障しないといけないなら、バブル世代にもっと金積んでリブートして再戦力化した方が合理的なんじゃないか」
これが、一部の大手企業で60代の処遇見直しが進む背景でしょう。誰かの雇用を保証すると別の誰かがスルーされるという、この30年ほど繰り返されてきたいつものアレですね。
というわけで、上記報道に対するSNS上の反応をつらつら見ていると
「いいぞうちも続け」「高齢者の活躍できる社会を!」
みたいな肯定的な反応が多いんですが、広い目で見るとそんなにいい話でもないのでは、というのが筆者の見方です。
以降、 60代を優遇しようとしている企業が見落としていること やるんなら全世代をリブートしろ
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Q:「インボイス反対運動についてどう思いますか?」 →A:「論外でしょう」
Q:「休職歴は人事にどの程度影響するのでしょう?」 →A:「実は『影響がある』と明言している企業は聞いたことが無いです」
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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2023年7月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください
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