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世界遺産の街コロニアを散策
166年の歴史を誇るコロニア・デル・サクラメント灯台
世界遺産の街コロニアを散策

1745年に建設されたLa Puerta de la Ciudadela de Colonia del Sacramento(コロニア・デル・サクラメント城壁門)は、コロニアでも特に重要な歴史的モニュメントのひとつ。当時のコロニアは、スペイン軍やイギリスの海賊による襲撃から街を守るための城壁で囲まれていました。1970年に古い城壁や大砲、堀にかかる跳ね橋などが再建され、当時の面影を今に伝えています。

城壁門のすぐそばには、1995年12月6日のユネスコ世界文化遺産登録を記念する碑がありました。

300年以上前のポルトガル時代に建てられた家々が並ぶCalle de Solís(ソリスの通り)。この角地に建つ家の1階の石造りの部分はポルトガル時代、レンガを使った2階はスペイン時代のものだとか。隣の国なのに建築技法がこれほど違うなんて、とても興味深いですね。

こちらはウルグアイ独立以降に建てられたであろう現代的な家屋を利用したレストラン。路上の錆びついたクラシックカーがいい味を出しています。

おや、この通りの左手には真っ白な灯台が!高さ制限の厳しいコロニアにあって、この構えは目を引きますね。ちょっと立ち寄ってみましょう。
166年の歴史を誇るコロニア・デル・サクラメント灯台

Faro de Colonia del Sacramento(コロニア・デル・サクラメント灯台)は、そのすぐ北側にあったConvento San Francisco(サン・フランシスコ修道院)の古い塔のひとつを利用して1857年1月に建設されました(サン・フランシスコ修道院はすでに廃墟となっています)。

ラ・プラタ川を航行する船舶の安全を守る大切な灯台の入り口には、ウルグアイ海軍総司令部の紋章が掲げられています。灯台の高さは26m、9秒ごとに2回放たれる閃光の視認距離は7.8海里(約14.45km)。上部へと続く階段が急なため、入場は12歳以上に限られています。

灯台への入場料は$35(=USD0.92)、入れ替え制になっているため順番が来るまで外でしばらく待ちましょう。1階受付の左手には、1938年以前にこの灯台で使われていたパラフィン製ロープランタン、右手奥には1938年から1997年にかけて使用されていたアセチレンガスランタンがありました。

先客が全員降りてきたところで、この狭い螺旋階段を登っていきます。

灯台の頂上に着きました。現在使用されているランタンは、再生可能エネルギー先進国のウルグアイらしく太陽光発電を利用しています。

見てください、この素晴らしい景色!岬の先端にウルグアイ国旗が掲げられ、ラ・プラタ川の沖合にはサン・ガブリエル島が見えています。

内陸側に目を向けると、Plaza Mayor(マヨール広場)が見えました。青々と茂る街路樹が広場や建物を覆い隠す風景は、ちょっとしたジャングルのようですね。

灯台の足元には、廃墟になったサン・フランシスコ修道院があります。サン・フランシスコ修道院は1690年に建設されたものの後の大火で全焼し、石やアドベ(日干し煉瓦)といったより耐火性の高い素材で再建されました。今も残る厚さ約1mの石壁を見ると、相当堅牢な造りであったことがうかがわれます。それでもポルトガルとスペイン両国の長年にわたる抗争には抗えず、ついに瓦礫と化してしまいました。