内包するインテリアは、BMW特有の駆けぬける歓びが感じられ、また長距離走行においては高次元の快適性を提供するデザインエレメントを導入したことがトピックだ。標準で採用するBMWライブコックピットは従来モデルに比べてボタン類を大幅に削減し、無駄を省いた洗練された印象を提供。BMWカーブドディスプレイは最新の12.3インチのマルチディスプレイメーターパネルと、タッチパネル機能付きの14.9インチワイドコントロールディスプレイで構成する。また、インストルメントパネル中央からドアトリムを立体的なクリスタル面が貫くBMWインタラクションバーを標準装備し、ドライバーの好みの走行モードに応じて室内空間をアーティステックに演出。ステアリングホイールも再設計し、下部セクションを平らにアレンジしてステアリングまわりに空間を与える。さらに、コントロールパネルとセンターコンソールのセレクターレバーには操作時のフィードバックを追加。そして、BMWナチュラルインタラクション(BMWインテリジェントパーソナルアシスタント[AI音声会話システム]、ジェスチャーコントロール)は全モデルに標準で、エレガントな雰囲気を醸し出すクラフテッドクリスタルフィニッシュ(セレクターレバー、スタート/ストップボタン、iDriveコントローラー、音量調整ボタン)は523iエクスクルーシブにオプション、それ以外のグレードに標準で採用した。シートやダッシュボード、ドアパネルの表面のほか、ステアリングホイールに植物を主原料としたサステナブルな素材を使い、同時に上質なレザーと同等の柔らかさと風合い、耐久性を実現したビーガンインテリア仕様を一部モデルに装備したことも、新型5シリーズの訴求点である。
パワートレインは、523iに1998cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンツインパワーターボエンジン(最高出力190ps/最大トルク310Nm)+電気モーター+電子制御式8速AT(ステップトロニック/シフトパドル付)を搭載して後輪を駆動する48Vマイルドハイブリッドシステムを、523d xドライブに1995cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルシーケンシャルツイン可変ジオメトリーターボエンジン(最高出力197ps/最大トルク400Nm)+電気モーター+電子制御式8速AT(ステップトロニック/シフトパドル付)を搭載して4輪を駆動する48Vマイルドハイブリッドシステムを採用。また、i5 eDrive40は電気モーター(最高出力250kW、最大トルク400Nm)+リチウムイオン電池(総電力量83.9kWh)を搭載して後輪を駆動する電動パワートレインを、i5 M60 xDriveは電気モーター(フロント最高出力192kW/最大トルク365Nm、リア最高出力250kW/最大トルク430Nm、システム最高出力442kW/システム最大トルク795Nm)+リチウムイオン電池(総電力量83.9kWh)を搭載して4輪を駆動する電動パワートレインを積み込む。一充電での走行可能距離は、欧州モードでi5 eDrive40が477~582km、i5 M60 xDriveが455~516kmを実現した。
シャシーに関しては、アルミニウム合金製の前ダブルウィッシュボーン式/後マルチリンク式で構成し、523iエクスクルーシブにはスタンダードサスペンションを、523i Mスポーツおよび523d xDrive MスポーツにはMスポーツサスペンションを、i5 eDrive40にはアダプティブサスペンションを、i5 M60 xDriveにはアダプティブMサスペンション・プロフェッショナルを組み込む。標準で履くシューズは、523iエクスクルーシブが7.5J×18アロイホイールYスポーク・スタイリング932+225/55R18タイヤ、523i Mスポーツ、523d xDrive Mスポーツ、i5 eDrive40 Mスポーツが8.5J×19 Mエアロダイナミックアロイホイール936Mバイカラー(ブラック・グレー)+245/45R19タイヤ、i5 eDrive40エクセレンスが8.5J×19エアロダイナミックアロイホイール934バイカラー(グレー)+245/45R19タイヤ、i5 M60 xDriveが前8.5J×20/後10J×20 Mエアロダイナミックアロイホイール940Mバイカラー(ジェットブラック)+前245/40R20/後275/35R20タイヤを装着。また、センシングと同 時に最短時間で直接制御されるホイールスリップテクノロジーや、統合ブレーキシステム、可変ステアリングレシオを備えたスポーツステアリングを全モデルに標準装備する。さらに、4輪操舵を可能とする前後輪統合制御ステアリングシステムのインテグレイテッドアクティブステアリングをi5に標準、523iと523dにオプションで採用した。
先進安全運転支援システムも充実している。高性能カメラ&レーダーおよび高性能プロセッサーによる高い解析能力によって、より精度と正確性が向上したドライビングアシスト・プロフェッショナルや、完全自動駐車が可能となるパーキングアシスト・プロフェショナル、高速道路での渋滞時においてドライバーの運転負荷を軽減して安全に寄与するハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能、全方向(前後&左右)記録可能なBMWドライブレコーダー、車両の異常をスマートフォンに知らせるアラームシステムなどを標準で装備。また、先進機能装備として最新のBMW iDriveおよびBMWオペレーティングシステム8.5や、BMWコネクテッドドライブ、BMWインテリジェントパーソナルアシスタントなども採用している。
なお、本国の新型5シリーズでは1998cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンツインパワーターボエンジン+電気モーターを搭載するプラグインハイブリッドモデルの530eや、2998cc直列6気筒DOHCツインパワーターボエンジン+電気モーターを搭載する48Vマイルドハイブリッドシステムの540i xDrive、同6気筒エンジンをベースとしたプラグインハイブリッドモデルの550e xDrive、プラグインハイブリッドのMパフォーマンスモデルとなるM560e xDriveなどを設定しているが、日本にも随時導入する予定である。
提供元・CAR and DRIVER
【関連記事】
・「新世代日産」e-POWER搭載の代表2モデル。新型ノートとキックス、トータルではどうなのか
・最近よく見かける新型メルセデスGクラス、その本命G350dの気になるパワフルフィール
・コンパクトSUV特集:全長3995mm/小さくて安い。最近、良く見かけるトヨタ・ライズに乗ってみた
・2020年の国内新車販売で10万台以上を達成した7モデルとは何か
・Jeepグランドチェロキー初の3列シート仕様が米国デビュ