「株式投資で初心者が最短で確実に利益を上げるための方法は何?」自分が実際投資をしていて、そして投資の仕方を教える立場にたっていて良く問われる質問がこれだ。この問いに簡潔に答えると次のようになる。
「利益を出す確実な方法はないけど、高確率で勝てる方法ならある。それはIPO投資だ」
IPO投資の中で代表的なものには、IPO銘柄を申し込むことであてる抽選方法、証券会社の担当と仲良くなってIPO銘柄をもらう裁量方法、上場後に株を買うセカンダリーの方法がある。
本記事では株初心者の会社員がIPO投資で利益を出すための方法をお伝えする。ちなみに、IPO投資は通常の株式市場での売買とは少しだけルールも投資の仕方も異なるので注意が必要だ。なお先ほどの答え「高勝率で勝てる方法」はIPO投資における抽選方法がこれにあたる。
IPO投資で利益を上げる方法① 「抽選で当てる」
IPOで注目の銘柄を抽選にてもらうことができるとそれだけで大きな利益を上げることができる。例を出すと2016年でも、エルテス(上場時の上昇率263%)、AWSホールディングス(同253%)、ストライク(同125%)と抽選時の株価を大きく上回る株が出てきている。
もちろんそのような株式は、「プラチナチケット」と呼ばれ、多くの投資家がほしがる割に抽選時の供給量が圧倒的に少ないため、普通に申し込んであたることはほとんどない。そのような銘柄をあてるには我慢強さと一定の戦略が必要だ。
ただ、ある程度注目されていて、供給量の多い株式であれば上場前に抽選であてることが可能だ。例えば、昨年の郵政3社や今年上場したLINE、JR九州などはいわゆる大型の株式として上場をしたものだが、抽選で当たった人が多かった。LINEは上場時に48.5%の上昇、JR九州は19.2%上昇している。プラチナチケット級の利益からはほど遠いものの数万円から数十万円くらいの金額であれば無理なく稼ぐことが可能だ。
IPOの初心者であれば、まずはその注目度の高い供給量のある銘柄を狙うところから始めてほしい。複数口座を作り、資金を分散させて一口ずつ申し込むのが最もスタンダードな戦略だ。証券会社ごとの特徴(抽選は平等かなど)があるので、特徴をとらえてから口座づくりと申し込みに挑戦してみたい。
IPO投資で利益を上げる方法② 「裁量でもらう」
裁量というのは証券会社の担当がなじみの顧客(というか上顧客)に対して裁量で上場前の株式を与えることを指す。古くから利用されている配分方式で、抽選と並びIPO株で利益を上げるためには必要な戦略だといわれている。ただ、この方法は証券会社に比較的大きな資金を預けいれ、IPO株以外に株式を売買して担当に手数料をある程度落とすなどのいわゆる大人の事情が必要なためIPO初心者にとっては少々敷居が高いものとなる。
証券会社も何百万口座も保有する大手の証券会社から数万口座程度しか保有していない小さめな証券会社までその種類は様々だ。裁量を狙うのであれば、どの証券会社が良いのかしっかりと下調べをしてから担当者とのお付き合いを始めてみてもよいだろう。
注意点としては担当者の気分次第というところもあるので、それほどお勧めとはいえない(証券営業の食い物になってはいけない)。
IPO投資で利益を上げる方法③ 「上場後の値動きを利用する」
IPOは抽選が済んで当選した人へと株価が渡ったあと、予定されていた日に株式が上場する。
最初に上場してつく株価のことを初値という。初値が付いた後、しばらくIPO株は荒れた値動きをすることがある。特に最初にご紹介したプラチナチケットは、当選であたらなかった人達の「初値買い」と呼ばれる買い注文が殺到して、上場初日から株価が異常な釣り上がりを見せることがある。この上昇を狙い株を短期的に売買することを、IPO株のセカンダリー投資という。
セカンダリー投資は極めて短期間で値幅を取るための手法であり、ハイリスク・ハイリターンの投資法でもある。しかるべき知識を持って挑まないと、いわゆるこつこつ勝ってドカンと負けるという典型的なギャンブルの負けパターンに陥る。
もしセカンダリー投資で成功したいのであれば、上場前にいくつかその企業について知っておかなくてはならない。例えば最低でも以下の項目はおさえておくべきだ。
**1. ベンチャーキャピタルの保有割合はどの程度か
(上場後にあらかじめ持っておいた株式を売却する可能性のある企業の割合)
- 話題性のある業種か(ネット系はIPO市場でも話題となる)
- 抽選での配分はすくないかどうか(プラチナチケットかどうか)
市場はどこか(大幅に上昇する企業はマザーズが多い)**
以上の4つは知っておこう。
さらに短期投資のための基礎知識を知っておく必要がある。高値で買ってもしも上がらなかった場合にはずるずると損失を引きずっていてはいけないからだ。短期投資で成功するためには、技術よりも「損切」(損失を確定させること)や「株を買う量」なども大きくかかわってくるのだ。
以上3点ほどIPO投資の仕方をお伝えしたが、もし興味があれば株式投資とはまた別枠としてIPOの世界を学んでみてはいかがだろうか。
文・谷山歩(たにやま あゆみ)/ZUU online
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