大手銀行より金利が100~250倍も高い「ネット銀行」ですが、実は金利だけでなくATMの手数料もかなりお得なのをご存じでしょうか? そこで今回は、ATM出金手数料の無料回数が多いネット銀行を紹介します。なかには優遇プログラムで無料回数が無制限になる場合もありますので、現金派の人はぜひチェックしてみてください。
なぜネット銀行は入出金ATM手数料が安いの?
基本的に店舗やATMを持っていないネット銀行は、現金を入出金するのに提携している銀行ATMやコンビニATM、ゆうちょ銀行ATMなどを利用します。
今回紹介する銀行のなかには、純粋なネット銀行ではく、実店舗もあり金利の高いネットサービスを提供している場合もありますが、それでも、自社ATMだけで賄えない部分は提携先のATMを利用することになるため、基本的にはATMの入出金手数料がかかってしまうのです。
いくらネット銀行の金利が高いといっても、たとえば100万円を0.25%の定期預金に1年間預けても、もらえる利息は2,500円(税引前)ですので、ATMで現金を引き出すのに毎回数百円の手数料を取られてしまえば、もらった金利などアッという間に消し飛んでしまいます。
もちろん、ネット銀行では月に数回は無料でATMが利用できますし、優待プログラムでランクやステージが上がると無料回数が増えるようになっています。
なかには、ATMの無料回数が無制限になるネット銀行もあるので、上手く使えばムダに入出金ATM手数料を取られずに済むのです。
そこで今回は、どのネット銀行なら入出金ATM手数料が安く済むのかを比較検証してみたいと思います。
条件なしでのネット銀行「ATM出金手数料」の無料回数を比較
そもそも、大手銀行は自前のATMを持っていますので、平日の日中であればATMで現金を出金(引き出し)しても手数料はかかりません。
しかし、夜間や早朝はATM引出手数料が110円かかりますし、提携先のコンビニでは220円~330円ほど取られることがあります。
もちろん、利用するのが平日か休日か、利用時間が日中か深夜かで料金が変わるのはネット銀行でも同じです。
そこでここでは、ネット銀行の優待プログラムの最低ランク(条件なし)で、ATM出金手数料が何回無料になるのか確認してみましょう。
ネット銀行のATM出金手数料の無料回数(条件なし)
銀行名 | 最低ランクでのATM出金無料回数 | 無料回数超の手数料 | 利用可能なATM |
SBI新生銀行 | 無制限(2024年3月31日まで) ※月5回(2024年4月1日以降) ※セブン銀行/イーネット/ローソン銀行/イオン銀行/ビューアルッテ/PatSatの場合 |
110円 ※ATMにより異なる |
セブン銀行/イーネット/ローソン銀行/イオン銀行/ビューアルッテ/PatSat/全国都市銀行等 |
イオン銀行 | 無制限(イオン銀行ATM) ※平日日中はみずほ銀行/三菱UFJ銀行/ゆうちょ銀行が無料 |
110円/220円 ※ATMにより異なる |
イオン銀行ATMは全国に6,000台以上 手数料無料の提携銀行ATMは全国5万5,000台 |
SBJ銀行 | 月10回(セブン銀行・イオン銀行・イーネット)/月3回(ゆうちょ銀行・みずほ銀行)※入出金合算 | 110円 | セブン銀行/イオン銀行/イーネット/ゆうちょ銀行/みずほ銀行 |
東京スター銀行 | 実質月8回(キャッシュバック)※スターワン口座利用 ※東京スター銀行ATMなら一部時間帯が無料 |
110円/220円 ※曜日・時間帯により異なる |
東京スター銀行/セブン銀行/ゆうちょ銀行/都市銀行・信用組合/コンビニにあるMICS提携ATM |
ソニー銀行 | 月4回 ※入出金合算 |
110円 | セブン銀行/イオン銀行/イーネット/ローソン銀行/ゆうちょ銀行/三菱UFJ銀行/三井住友銀行 |
住信SBIネット銀行 | 月2回 ※入出金合算 |
110円 | イオン銀行/セブン銀行/ゆうちょ銀行/イーネット/ローソン銀行/ビューアルッテ |
auじぶん銀行 | 月2回 | 110円 ※ゆうちょ銀行は220円 |
三菱UFJ銀行/セブン銀行/ローソン銀行/イーネット/ゆうちょ銀行 |
PayPay銀行 | 月1回 ※2回目以降も3万円以上なら何度でも無料 |
165円 ※ゆうちょ銀行は330円 |
セブン銀行/イオン銀行/ローソン銀行/イーネット/三井住友銀行/ゆうちょ銀行 |
UI銀行 | 月1回(セブン銀行) 平日8:45~18:00は無料(きらぼし銀行) ※入金はいずれも全日無料 |
110円 | きらぼし銀行/セブン銀行 |
楽天銀行 | なし ※入金は3万円以上は無料/3万円未満は有料 ※ビューアルッテは入金できない |
220円(セブン銀行/イオン銀行/PatSat) 275円(上記以外) |
セブン銀行/イオン銀行/ローソン銀行/イーネット/PatSat/三菱UFJ銀行/みずほ銀行/ゆうちょ銀行/ビューアルッテ |
ネット銀行において優待プログラムの最低ランク(条件なし)での、ATM出金手数料の無料回数を比較しました。「SBI新生銀行」は24年3月末までのキャンペーンで無制限となっているほか、「イオン銀行」は自社ATMが24時間365日無料で使えます(表は各銀行の公式サイトを基に筆者が独自に作成)
「SBI新生銀行」は24年3月末まで誰でもATM出金無料回数が無制限!
実店舗も構える「新生銀行」は、2021年12月からはSBIホールディングスの子会社になり「SBI新生銀行」に生まれ変わりました。
これにより、以前より積極的に金利の高い定期預金を投入したり、さまざまなキャンペーンを展開しています。
その一環として、23年2月6日~24年3月31日までは、優待プログラムのランクに関係なく、誰でもセブン銀行やイーネット、イオン銀行などのATM手数料が何回でも無料となっています。
24年4月1日からは月5回まで無料に戻りますし、ゆうちょ銀行や都市銀行等は1回110円かかりますが、それでもかなりお得なことに変わりはありません。
自社ATMを持つ「イオン銀行」は24時間365日誰でも無料!
「イオン銀行」は、全国のイオンやミニストップを中心に自社ATMを6,000台以上設置しています。
しかも、優待プログラムのランクに関係なく、誰でも24時間365日、何回でも手数料無料でATMから出金できます。もちろん、休日や夜間も手数料はかかりません。
また、手数料無料の提携銀行ATMは全国5万5,000台も用意されており、平日の日中ならみずほ銀行や三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行なども無料で利用できます。
韓国系の「SBJ銀行」は条件なしで月10回まで無料!
「SBJ銀行」は常にトップクラスの金利を誇る韓国系の金融機関です。もちろん、日本の預金保険制度の対象なので、万一の場合も日本円の定期預金や普通預金および金利は1,000万円まで保護されます。
そのようなSBJ銀行はATM出金手数料もお得です。優待プログラムのランクに関係なく、セブン銀行・イオン銀行・イーネットのATMは月10回まで、ゆうちょ銀行・みずほ銀行は月3回まで、ATMが無料で利用できます。
ただし、無料になる回数はATM入出金の合算になりますのでご注意ください。
「東京スター銀行」はキャッシュバックで実質8回まで無料!
「東京スター銀行」は2001年に誕生した東京を拠点とする第二地方銀行で、厳密にはネット銀行ではなく実店舗もあります。
しかし、1年定期で0.20%、3年定期で0.25%といった高い金利を用意しているほか、給与受取口座指定で普通預金金利が0.1%になります。
もちろん、ATM出金手数料もかなりお得ですが、東京スター銀行に優待プログラムはなく、スターワン口座を持っていれば、自社ATMでは平日と土曜の日中、現金を何度出金しても無料になります。
また、それ以外の時間帯や提携ATM(セブン銀行やゆうちょ・地方銀行)では、手数料が翌月キャッシュバックされるため、月8回まで実質無料で利用可能となっているのです。
「PayPay銀行」は3万円以上なら何回でも無料!
ジャパンネット銀行をルーツに持つ「PayPay銀行」は、ATMの入出金手数料がそれぞれ月1回無料になります。
提携ATMはセブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行、ゆうちょ銀行などがありますが、実は3万円以上なら何回でも無料で利用できるのをご存じでしょうか?
PayPay銀行でATMを利用するときは、できるだけ3万円以上にしておいたほうがお得です。