時期や海況による釣り場選び

シーズン初期はまだ水温が不安定なこともあり、浅場から深場、どこにいるかわかりにくい。砂浜海岸なら、中距離から遠投を中心に、幅広く探ることが必要である。初期は、遠投力で釣果が分かれることも多い。

こんな時期には、砂浜海岸の周囲の漁港波止のミオ筋を狙ったり、隣接した磯場の足場のいいところから水深のあるところを狙うと、若干確率を上げることができ、良型を手にする可能性も高まる。

また、7月後半から8月にかけては、海水温が高くなりすぎることも多く、砂浜海岸でも食いが落ちることがある。

これは海水温の急上昇により、海水中の溶存酸素量が低下することも一因であるが、そんなときに威力を発揮するのが比較的大きな川の河口の釣り場である。川の水が混じって水温が程よく保たれ、川の流れと潮の干満が合わさって潮の動きがよく、良型がくる確率が高く、真っ昼間にキビレなどの外道のおまけがつくことも多い。

天気の悪い日は諦めも肝心

今年のように台風の接近の時期が早く、大雨などで濁りが入ったり、うねりが来たりする場合もある。いずれもキス狙いの条件としては最悪で、こんなときは天候が回復しても釣行は難しい。インドアフィッシングで仕掛け作りや、竿やリールのメンテナンスをするチャンスである。

海況が回復して少し濁りが取れてきた状況でも、河口や砂浜海岸のポイントではゴミとの戦いになる。どうしても釣行するなら、砂泥底のエリアから外れない範囲で、河口からできるだけ離れた場所に入るのが良いだろう。その中で打ち上げられているゴミや海藻の少ない場所を選べば、何とか釣りにはなると思う。

今回使ったレトロタックル

最近私がよく使っているタックルは次のようなものである。

レトロタックルで臨む投げキス釣行【和歌山】シーズンやポイント選びについても解説タックル図(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

竿について

竿は確か1988年ごろにメーカーであるサクラの小売り部(東京・神田)で購入したもので、ほぼ36年になる。

当時、素材の状態の竿を見せていただき、せっかくだからと口巻のデザインなども、メーカー伝統のスタイルで仕立てていただいた。その後自分でガイドを付け替えたりしたが、継ぎ目の調整などではメーカーにお世話になっている。

私は一ユーザーであるが、1本の竿の縁でメーカーとこのようなお付き合いをさせていただいたことに感謝している。

この当時の竿としては4.2mで約500gとかなり軽量で細身、やや胴調子に感じられるが27~30号のオモリでも結構軽快に振れるので扱いやすく、手放せない存在である。

最近の新しい並継投竿と同じくらいの頻度でいまも使っている。リールも購入後約15年を経過しているが、軽くてスムーズで扱いやすいのでレトロ竿とコンビでよく使用している。

レトロタックルで臨む投げキス釣行【和歌山】シーズンやポイント選びについても解説長年愛用しているレトロタックル(提供:TSURINEWSライター・牧野博)