スポーツカーとは?
「スポーツカー」は、普通の乗用車とは一線を画す、運転するドライバーの視点で楽しさを味わうのに適した車種です。
しかし、スポーツカーは以下の要素を備えており、利便性よりも性能に重点を置いているジャンルと考えてよいでしょう。
- 高い走行性能
- 車高が低くてシャープな外観デザイン
- 所有することに価値を見いだせる
高い走行性能
スポーツカーがもつ注目すべき1つ目の要素は「高い走行性能」。
エンジンパワーが強力であったり、サスペンションなど足回りのセッティングが道路にマッチして快適な走りが味わえたりと、通常の乗用車より走りを重視した作りです。
また、高い走行性能を引き出すため、エンジンパワーを引き上げるのではなくボディの軽量化を徹底して運動性能を向上させる手法をとっている車種も存在します。
同じ性格をもった車種はそう簡単に現れないほど、それぞれのアプローチでスポーツカーの高い走行性能が生み出されているのです。
車高が低くてシャープな外観デザイン
2つ目の要素は「車高が低くてシャープな外観デザイン」です。
クーペもしくはセダンのボディ形状をまとっており、流線形のようなスタイリングが特徴。走行中の空気抵抗も意識して作られており、走行性能を高めるのにも貢献しています。
さらに、車高の低さが相まって、重心が低く抑えられているのも注目すべきポイントです。重心の位置が低くなると、カーブを走行している際にボディの揺れが減少し、乗り心地の改善にもつながります。
所有することに価値を見い出せる
3つ目の要素は「所有することに価値を見いだせる」です。
車両自体の性能や販売価格、生産されていた年代などさまざまな要素が絡んできますが、スポーツカーというだけで街中を走っていると、人々からの注目を浴びるでしょう。
また、住宅などの固定資産と同様、所有していればのちに市場価格が高騰するケースもあります。人気車種であれば、中古車市場でも新車販売価格を上回る値段で取引されるケースがあるとのこと。
近年は、新車のスポーツカーが発売されても爆発的に売れる時代ではないため、購入して大切に所有し、“資産”として価値を得ておくのもよいでしょう。
【国産】人気のスポーツカー5選
ニッサン スカイライン GT-R
人気の国産スポーツカーといえば、ニッサン スカイラインGT-Rではないでしょうか。その歴史は初代の誕生から60年以上。
スカイラインの名は外れるものの、現行のR35モデルまでを一括りにして考えれば、半世紀以上に渡ってスポーツカーの頂点に君臨し続けています。
今でこそプレミアムカーとして貴重な存在となっている“ハコスカ”や“32GT-R”も当時は少し頑張れば購入できる車でした。
中古車も多く出回っていましたし、多くの人に愛されたニッサン スカイラインGT-Rは“憧れの車”として乗っていた方も多くいたことでしょう。
そんな人気もあいまってモデルチェンジを続けたニッサン スカイライン GT‐Rはついにスーパーカーに劣らないスペックへと進化。国内の4輪レース“スーパーGT”では負けなしのマシンとなっています。
新車、中古車ともに高額となってしまい、誰でも乗れる車ではなくなってしまいましたが、その人気は今でも衰えることを知りません。
マツダ RX-7
日本で唯一“ロータリーエンジン”を搭載したスポーツカー。それがマツダ RX-7です。
スーパーGTやD1グランプリと多くのモータースポーツシーンで活躍してきたこの車両は、生産終了から20年以上たった今でも色褪せない魅力を持っています。
レシプロエンジンが主流のスポーツカーの中で、あえてロータリーエンジンを選択した車両はマツダのスポーツカーしかありません。
最終モデルのRX-7、FD3S型は、わずか1,308㏄の排気量で当時の馬力規制の上限である280馬力をマーク。排気量あたりのパワー比べでマツダRX-7の右に出るものはいませんでした。
特徴的なエンジンに、流線型の大型ボディ、軽量ながらハイパワーなこの車は爆発的なヒットとなり、根強い人気を誇ります。
残念ながら中古車相場は年々上昇傾向にあり、なかなか手が出しにくくなってきている車両ですが、機会があれば一度は乗ってみて頂きたい車のひとつです。
スバル インプレッサWRX
WRC(世界ラリー選手権)好きなら、この車を知らない人はいないでしょう。
スバルインプレッサWRXは、デビューからたった1年でWRCタイトルを獲得。当時のラリーシーンに衝撃を与えた車両です。
欧州ではファーマーズカー(農家さんの車)といわれ、モータースポーツとは無縁と思われていたスバルが、世界一の自動車メーカーになったこの出来事はそのときのレース関係者に大きな影響を与えたことでしょう。
また、スポーツカーといえば“2ドアクーペ”が当たり前だった時代に、スバル インプレッサWRXは、クーペモデルとほとんど同じ仕様で4ドアセダンの設定があったことも人気を後押ししました。
こちらも残念ながら中古車価格は年々値上がりを続けており、「もう一度乗ってみたい」「スポーツカーとしてのスバル インプレッサが気になる」という方は早めに手に入れることをおすすめします。
トヨタ スープラ
トヨタスープラは、現在も発売されている数少ないトヨタのスポーツカーです。
始まりはトヨタ セリカの上級モデルとして発売されたトヨタ セリカXX。“XX”の名がアメリカにおいて成人向け映画を意味することから、北米トヨタで販売するときには「スープラ」という車名が使われました。
その後トヨタ セリカXXはスープラに名前が統一され、日本国内でもトヨタ スープラとして販売されます。
3リッタ―の大排気量エンジンに、ツインターボの圧倒的パワーは当時のスポーツカーブームの波に乗り、発売当初から大人気となります。
通称“ハチマル”の愛称で知られる4代目、A80型スープラは直列6気筒3リッターツインターボエンジンを搭載。
全幅1,800mmを超えるワイドボディで、アメリカ車を彷彿させるマッスルスタイルは国内外問わず人気となりました。
このモデルで一旦生産が終了するも、2019にBMWと共同開発した5代目スープラ、DB型がデビュー。プラットフォームこそBMW Z4と共有ですが、足回りとエンジンの味付けはトヨタオリジナルで仕上げています。
今もなお新車で乗れるスポーツカーは種類が少なく、スーパーカーなみの価格となっている車両がほとんどです。
しかし、DB型のトヨタ スープラのエントリーモデルは499万5千円。現行のスポーツカーの中ではリーズナブルな価格設定となっています。
プレミアムな旧式スポーツカーもとても魅力的です。しかし、今乗れる新車のスポーツカーにも、たくさんの魅力が詰まっています。
ホンダ NSX
スポーツカーというより“レーシングカー”といっても過言ではない市販車。それがホンダ NSXです。
ミッドシップ(車の前軸と後軸の間にエンジンが置かれている搭載方式)、2シータ―レイアウト、オールアルミボディと、速く走るためだけに開発されたかのようなこの車は、ホンダ好きのみならず、多くのスポーツカー好きをとりこにしました。
ホンダ NSXは、2022年を最後に生産が終了。最終モデルのNC1型は6,500回転で529馬力を叩き出すモンスターマシンにまで進化します。
駆動方式は4WDに変更され走行安定性は抜群。ミッドシップのときのようなシビアな運転は要求されません。
その分価格は大変高価になっていますが、一度は乗る価値のある車です。