車いす利用者をそのまま車内に乗せて運ぶことができる福祉車両は、軽自動車から大型のワンボックスまで幅広く用意されており、乗車定員もボディサイズに応じてさまざまです。

そのなかで、もっともコンパクトで使いやすいのが軽自動車をベースにしたモデルです。

ここでは車いす利用者を乗せることができるおすすめの軽自動車を5台紹介します。

目次
ほとんどの軽福祉車両は車いすを乗せると定員が3名になる
おすすめ軽自動車5選

ほとんどの軽福祉車両は車いすを乗せると定員が3名になる

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

車いす利用者を連れ立ってクルマで出かけるには、車いすごと車内に乗せることができると便利ですよね。

ひと口に車いす利用者を乗せられる軽自動車といっても、おおくは通常時の乗車定員と車いす乗車時の定員が異なるので注意が必要です。

一般的に軽自動車の乗車定員は4名ですが、車いす利用者を乗せる場合、リアシート部分に車いすを固定するため、多くのモデルはフロント2名+車いす利用者の3名になります。

家族がそれよりも多く、車いす利用者をふくめて3名以上で移動したい場合は、3列シートをベースにしたミニバンタイプを選ぶと良いでしょう。

また車いすのサイズによっては乗せることができない車種があるので、事前のチェックもしておきたいところです。

現在、車いすを利用者が座ったまま車内に乗せられる軽自動車は、ダイハツ、スズキをはじめ、ホンダ、スバル、日産、マツダなどに用意されています。

以下では、編集部おすすめの5台を紹介します。

おすすめ軽自動車5選

ダイハツ タント/タントカスタム スローパー

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

ミラクルオープンドアで人気のダイハツ タントには、2006年から車いす利用者を乗せることができるタントスローパーが用意されています。

現行型のタントスローパーは、リアにベンチシートを装備して、通常時は4名乗車、車いす乗車時は3名乗車という設計。

リアシートを取り外しやすい設計にして、子供用自転車ならそのまま車内に載せることができるなど、使用シーンにあわせて車内のアレンジを可能としたことがポイントです。

車いす用の電動ウインチベルト、リアヒーターダクトを備えるほか、通常時は前倒しで格納できるリトラクタブルスロープを採用。

直列3気筒660ccエンジンは、ターボなしとターボ付きが選べます。

スズキ スペーシア 車いす移動車

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

パレットの後継車として2013年に発売されたスズキ スペーシアは、発売直後から車いすを載せることができる“車いす移動車”を設定し、2代目となった現行型でも用意されています。

スペーシア 車いす移動車のポイントは、一体型の車いす用スロープを備えていること。これによりハッチゲートを開ければ、あとはワンアクションでスロープが設置できます。

電動ウインチやリアヒーターダクトのほか、空気を循環させて車内温度のかたよりを防ぐサーキュレーターも装備(HYBRID X)するなど、後席の環境を考えた装備が嬉しいポイントです。

乗車定員は、通常が4人、車いす乗車時は3名です。

ホンダ N-BOX 車いす仕様車

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

2012年、前年に発売されたホンダ N-BOX/N-BOXカスタムに、”車いす仕様車”が追加されました。

N-BOX 車いす仕様車の特徴は、リアシートの格納をダイブダウン方式としたことと、リアゲートのデザインをノーマルモデルと違え、車いす利用者の乗降をスムーズにしたことです。

また引き出し式としたスーパーフレックススロープの採用により、車いす利用者を乗せないときは、フラットな荷室を実現。ラゲッジスペースに荷物を乗せやすくなっています。

乗車定員は、ライバル同様、通常時が4名、車いす乗車時は3名です。

現行型となる2代目N-BOXのエンジンは、N-BOXカスタムが自然吸気、N-BOXは自然吸気とターボの2本立てで、駆動方式はどちらも2WDと4WDモデルが選べます。

リアカメラにスロープを使うときのガイドラインを表示できるほか、先進安全装備のHonda SENSINGを装備することもポイントです。

ダイハツ アトレー スローパー

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

2001年から販売されているのが、1BOXのアトレーをベースにしたダイハツ アトレー スローパーです。

当初、車いす乗車時は3名の定員でしたが、現在は改良によって折りたたみ式の補助シートを装備して、車いす乗車時も4名乗車を可能としています。

これにより、車いす利用者のとなりに介助者が乗車できるようになりました。

またキャブオーバーレイアウトの利点を活かした車いす乗車スペースは、幅770mm、奥行き1,645mmと広いので、大きめの車いすでも乗車可能。電動ウインチベルト、リトラクタブルスロープ、リアヒーターなども標準装備です。

エンジンは直列3気筒ターボのみで、タントにはない4WDモデルが用意されていることもポイントです。

ダイハツ ハイゼット スローパー

要介護者を車いすごと乗せられる軽自動車5選
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

ダイハツ ハイゼット スローパーは、アトレー スローパーの廉価版といった位置づけ。

ハイゼットカーゴをベースとした室内のレイアウトは、アトレー スローパーと同様。折りたたみ式の補助シートを装備した4人乗りで、電動ウインチベルト、リトラクタブルスロープ、リアヒーターなどは標準装着です。

アトレーから外されるのは、電動格納式ドアミラーやLEDヘッドランプ、室内のオートエアコン、LEDルームランプ、パワースライドドア、安全装備のADBやサイドビューランプなど。

エンジンもノンターボの直列3気筒にすることで、新車価格を低く抑えてます。